個人型年金は、企業型年金よりさらに多くの関係機関があります。
今後の解説の中でもしばしば登場します。
3.個人型確定拠出年金に関係する各機関の役割と業務内容
a.国民年金基金連合会
個人型年金を実施するため法律で指定された組織で以下の業務を行います。
①加入者の資格の確認に係る業務
②掛金の限度額の管理に係る業務
③加入者からの掛金の収納に係る業務
④個人型年金に係る規約の策定
⑤加入者等に間する原簿を備え、これに加入者等の氏名、住所、資格の取得・喪失年月日等の記録、保存業務
b.国民年金基金
加入者・運用指図者(以下「加入者等」といいます)、登録事業所を管理する47の地域型基金(都道府県ごとに1基金)と17の職能型基金(医師会、税理士会等の業種ごとに設立された基金)があり、管轄基金(加入者等又は登録事業所の住所地・所在地を管轄する地域型基金及び所属する同業種団体の職能型基金)といい、国民年金基金連合会より委託を受けて以下の業務を行います。
①届出の入力・通知書の送付に関する事務
②相談・照会に関する事務
③その他付随する事務
c.受付金融機関
加入者等からの各種届を国民年金基金連合会(国民年金基金へ業務を委託)へ送付する窓口となる銀行、生・損保、証券等の金融機関や郵便局で以下の業務を行います。
①加入申出書、事業所登録申請書の受付
②その他各種諸変更届等の受付
d.事務委託先金融機関
国民年金基金連合会の委託を受けて以下の業務を行います。いわゆる資産管理機関です。
①積立金の管理に関する事務
②積立金の運用に関する契約に係る預金通帳、有価証券その他これに類するものの保管に関する事務
③給付金裁定に基づく給付金支給事務
平成17年10月現在、以下の6つの信託銀行です。
・三菱UFJ信託銀行
・三井アセット信託銀行
・住友信託銀行
・資産管理サービス信託銀行
・りそな信託銀行
・野村信託銀行
e.記録関連運営管理機関
記録関連業務を行う運営管理機関で、企業型年金と同様以下の業務を行います。
①加入者等の氏名、住所、個人別管理資産額その他の加入者等に関わる事項の記録、保存及び通知
②加入者等が行った運用の指図のとりまとめ及びその内容の資産管理機関(事務委託先金融機関)または連合会への通知
③給付を受ける権利の裁定
平成17年10月現在、以下の4つの機関です。
・日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社(略称:JIS&T)
・損保ジャパンDC証券株式会社
・日本レコード・キーピング・ネットワーク株式会社(略称:NRK)
・SBIベネフィット・システムズ株式会社
f.運用関連運営管理機関
運用関連業務を行う運営管理機関で、企業型年金と同様以下の業務を行います。
①運用商品の選定、及び加入者等への提示
②商品の運用に関する情報の提供
平成17年10月現在、163の銀行、生・損保、証券等の金融機関と郵便局で、ほとんどが受付金融機関と同じです。
g.特定運営管理機関
国民年金基金連合会の委託を受けて以下の業務を行います(JIS&Tが受託)。
①自動移換(注7)に係る業務
②「その他の者」(注7)に係る業務
(注7)法第83条第1項に基づき企業型年金実施事業所を60歳に達する前に退職し、資格喪失日の属する月の翌月から6ヶ月以内にそれまで運用していた資産(「個人別管理資産」といいます)を他の企業型年金または個人型年金へ移換しなかった場合は、移換手続をとらないまま6ヶ月を経過した際に企業型年金の個人別管理資産と個人記録は自動的に特定運営管理機関に移換されます。これを「自動移換」といいます。
また、自動移換された者を「その他の者」といいます。
以上のとおり多くの関係機関が連携して個人型年金の業務を行っています。
次回は、第2号加入者に関係する個人型年金実施事業所の登録について解説します。
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