今回は、「早くしろ!」の他に、「嘘、偽りなくやれ!」を含めて、確定拠出年金法の罰則を刑罰の重い順に見てます。
◆ 確定拠出年金法第118条
以下に該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又はこれを併科
未登録や不正登録による業務、利益の供与は許さないという最も重い罰則です。
① 主務大臣の登録を受けないで確定拠出年金運営管理業を営んだ者(引用条文:法第88条第1項)
② 不正の手段により確定拠出年金運営管理業の主務大臣の登録を受けた者(引用条文:法第88条第1項)
③ 確定拠出年金運営管理機関として自己の名義をもって、他人に確定拠出年金運営管理業を営ませた者(引用条文:法第95条)
④ 運営管理契約を締結するに際し、その相手方に対して、加入者等の損失の全部又は一部を負担することを約した者(引用条文:法第100条第1号)
⑤ 運営管理契約を締結するに際し、その相手方に対して、加入者等又は当該相手方に特別の利益を提供することを約した者(引用条文:法第100条第2号)
⑥ 運用関連業務に関し生じた加入者等の損失の全部若しくは一部を補てんし、又は当該業務に関し生じた加入者等の利益に追加するため、当該加入者等又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者をして提供させた(自己の責めに帰すべき事故による損失の全部又は一部を補てんする場合を除く。)者(引用条文:法第100条第3号)
◆ 確定拠出年金法第119条
以下に該当する者は、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はこれを併科
業務内容等の故意による不告知や不実の告知、業務停止命令違反は許さないという罰則です。
① 運営管理契約の締結について勧誘をするに際し、又はその解除を妨げるため、運営管理業務に関する事項であって、運営管理契約の相手方の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして以下の政令で定めるものにつき、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げた者(引用条文:法第100条第4号、令第51条)
・委託又は再委託を受けることができる運営管理業務の種類及び内容
・再委託しようとする確定拠出年金運営管理機関の名称及び住所並びに再委託しようとする運営管理業務の内容
・業務の状況(再委託しようとする確定拠出年金運営管理機関の業務の状況を含む。)
・法の規定による運営管理業務に係る処分の有無(運営管理業務に係る処分を受けたことがある場合にあっては、当該処分の内容を含む。)
② 6ヶ月以内の期間を定めて確定拠出年金運営管理業の全部若しくは一部の停止の命令に違反して、確定拠出年金運営管理業を営んだ者(引用条文:法第104条第2項)
◆ 確定拠出年金法第120条
以下に該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金
報告や検査の忌避、申請書・帳簿書類等の作成・保存・提出がされなかったり、虚偽記載は許さないという罰則です。
① 厚生労働大臣が事業主に対し、徴した企業型年金の実施状況に関する報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該職員が事業所に立ち入って関係者に行う質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは実地の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者(引用条文:法第51条第1項)
② 確定拠出年金運営管理業の登録申請書又は添付書類に虚偽の記載をして提出した者(引用条文:法第89条第1項、第2項)
③ 確定拠出年金運営管理業務に関する帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類を作成した者(引用条文:法第101条)
④ 主務大臣に確定拠出年金運営管理業務についての様式第7号による報告書(業務報告書)を提出せず、又は虚偽の記載をした報告書を提出した者(引用条文:法第102条、確定拠出年金運営管理機関に関する命令第12条)
⑤ 主務大臣が運営管理機関に対し、徴した確定拠出年金運営管理業務に関する報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は当該職員が運営管理機関の営業所に立ち入って関係者に行う質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の陳述をし、若しくは実地の検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者(引用条文:法第103条第1項)
次回は、確定拠出年金法の罰則(中)として確定拠出年金法第121条から見ます。
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