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GOROGOROWIN

Author:GOROGOROWIN
経歴:企業年金の事務・システム企画や制度引受・管理業務に永年携わり、関連組織の統合・新設や事業会社の立上げによる事務・システムの構築と運用を行ってきました。現在は内部検査業務に従事しています。

専門:確定拠出年金をはじめとする企業年金の契約引受業務、保全業務の運用と事務・システム構築のアドバイスやコンサルティング、運用スタッフに対するコーチングを専門としています。

保有資格:
社会保険労務士(法3条の有資格者)
1級企業年金総合プランナー(DCプランナー)
宅地建物取引主任者 など

趣味:熱帯魚飼育・観賞、ゴルフ、料理を作ること・食べること、音楽鑑賞(ZARD、Celine Dion等)

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債務の認識方法と割引率のダブルスタンダード(企業年金制度の財政検証)
退職給付会計の今回は、「債務の認識方法と割引率のダブルスタンダード」について企業年金制度の財政検証から解説します。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

退職給付会計基準では、企業から直接給付される退職給付企業年金制度から給付される退職給付について包括的に処理することとしています。

しかし、退職給付会計基準と企業年金制度(厚生年金基金制度や確定給付企業年金制度)の財政検証(継続基準と非継続基準)におけるそれぞれの債務の認識方法や割引率の決定方法が異なっています。

退職給付会計基準については、すでに解説しましたので、ここでは、企業年金制度の財政検証についてみることにします。

(1)継続基準

継続基準は、企業年金の存続を前提として、将来の年金給付や掛金収入を見込んで長期的な収支のバランスを図るもので、いわゆる収支相当の原則が成立することを目的とします。

このため、債務の認識方法は、予測給付評価方式によっています。

予測給付評価方式では、将来予想される総給付額の割引現在価値(総給付現価)を従業員の過去から将来にわたる全勤務期間に均等に割り当てた額を掛金(標準掛金)とします。

また、総給付現価から標準掛金と補足掛金の収入現価(総収入現価)を控除した額である責任準備金の額に照らして算定した額(責任準備金-許容繰越不足金)と年金資産の額を比較して、年金資産の積立状況が下回っている場合は、掛金を再計算しなければなりません。

補足掛金(特別掛金)は、総給付現価から標準掛金の収入現価を控除した額である数理債務から年金資産の額を控除した額です。

割引率は、予定利率として10年国債の応募者利回りの直近5年平均または直近1年平均のいずれか低い率を基準として厚生労働大臣が定める下限予定利率(平成18年度は1.2%)以上の合理的な長期的期待収益率と企業のリスク許容度に基づき決定します。

(2)非継続基準

非継続基準は、企業年金が解散・終了した場合を前提として、加入者および受給者の年金受給権の保護を目的とします。

債務の認識方法は、退職給付会計基準と同様に発生給付評価方式によっています。

発生給付評価方式では、企業年金が解散・終了した場合を前提とした観点から、これまでに発生した給付債務に見合う額(最低保全給付)の現価(最低積立基準額)と年金資産の額を比較して年金資産の積立状況が下回っている場合は、下回った額を基準として定められた掛金を追加拠出しなければなりません。

割引率は、最低積立基準額の算定に用いる予定利率として30年国債の応募者利回りの直近5年平均により定められます(平成18年度は2.17%で所定の手続きにより当該率に0.8以上1.2以下の数を乗じた率とすることも可能)。

次回は、「退職給付制度間の移行等に関する会計処理1回目(概要)」について解説をします。

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退職給付会計 | 23:41:42 | Trackback(0) | Comments(0)
小規模企業等における簡便法の採用4回目(簡便法採用の留意点)
退職給付会計の今回の解説は、「小規模企業等における簡便法の採用4回目(簡便法採用の留意点)」です。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

簡便法は、退職給付債務の計算において例外的な取扱いであるため、実務指針では簡便法から原則的な取扱い(以下「原則法」という)への変更は、合理的な理由があれば認められています。

逆に原則法から簡便法への変更は、従業員の著しい減少など相当の事由以外は原則として認められません。

また、簡便法には以下のようなデメリットがあるため、簡便法を採用する場合はその影響を事前に把握して採用を決定する必要があります。

(1)企業年金制度が退職一時金制度の縦割り移行(定年退職者や勤続20年以上の長期勤続者、50歳以上の中高齢者の退職等に伴う退職手当を企業年金制度に移行)の場合には、退職一時金制度と企業年金制度の整合性を考慮する必要があります。

これは、企業年金制度では受給資格を満たしていない者を含めて責任準備金を計算しているため、退職一時金制度で自己都合要支給額に基づいた算定をすると退職給付債務を二重に計上することになるためです。

このため、退職給付債務の計算方法の採用に制約を受け、実務指針第37項①の方法による算定は原則として不可です。

(2)年金資産の変動、予定利率の変更、給付の減額、リストラ・企業再編による大量退職等が発生した場合、過去勤務債務や数理計算上の差異による遅延認識が行われないため、当期に一括して損益を計上することになります。

(3)期末時点の退職給付引当金により退職給付費用が算定されるため、中間決算を含めて期間損益の認識が遅くなります。

(4)その他、原則法による退職給付債務と乖離が大きくなる可能性があり、財務状況が的確に把握できなくなる場合があります。

次回は、「債務の認識方法と割引率のダブルスタンダード」について企業年金制度の財政検証から解説をします。

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退職給付会計 | 15:31:34 | Trackback(0) | Comments(0)
小規模企業等における簡便法の採用3回目(退職給付引当金と退職給付費用の計算)
退職給付会計の今回の解説は、「小規模企業等における簡便法の採用3回目(退職給付引当金と退職給付費用の計算)」です。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

(1)簡便法による退職給付引当金の計算方法

期末時点の退職給付債務から会計基準変更時差異の未処理額(期首残高-当期償却額)を加減し、企業年金制度については年金資産の額を控除した額を退職給付引当金とします。
算式は、次のとおりです。

退職給付引当金(期末)=退職給付債務-(会計基準変更時差異の未処理額+年金資産)

なお、年金資産の額は、期末時点の公正な評価額によることが原則ですが、直近の年金財政決算における公正な評価額を基礎として合理的に算定された金額(例えば、直近の公正な評価額に期末日までの掛金拠出額、給付支払額を加減し、当該期間の見積運用収益を加算した金額)を用いることができます。


(2)簡便法による退職給付費用の計算方法

期首退職給付引当金から退職一時金制度からの給付支払額と企業年金制度への掛金拠出額を控除した残額と期末退職給付引当金との差額を退職給付費用とします。
算式は、次のとおりです。

退職給付費用=期末退職給付引当金-(期首退職給付引当金-退職一時金制度からの給付支払額-企業年金制度への掛金拠出額)

次回は、「小規模企業等における簡便法の採用4回目(簡便法採用の留意点)」を解説をします。

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退職給付会計 | 19:55:40 | Trackback(0) | Comments(0)
小規模企業等における簡便法の採用2回目(退職給付債務の計算)
退職給付会計の今回の解説は、「小規模企業等における簡便法の採用2回目(退職給付債務の計算)」です。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

簡便法の退職給付債務の計算方法は、実務指針では退職給付制度ごとに以下のいずれかのうち最も合理的な方法を採用することが可能ですが、一度採用した方法は継続使用することが原則です。

以下のいずれの場合も退職給付制度に係る未払い給付があれば当該額を退職給付債務に含めることになります。

(1)退職一時金制度のみを採用している場合(実務指針第36項)

◆ 第36項① 自己都合要支給額に比較指数を乗じる方法

会計基準適用初年度および基礎率等に重要な変動があった年度に計算した原則法による退職給付債務と自己都合要支給額との比率を期末時点の自己都合要支給額に乗じて退職給付債務を算定します。

基礎率に重要な変動がない限り、原則法による計算が初回だけで、比較的正確な計算が可能になります。

◆ 第36項② 自己都合要支給額に係数を乗じる方法

期末時点の自己都合要支給額に平均残存勤務期間に対応する予定昇給率および割引率の各係数を乗じて退職給付債務を算定します。

係数に使用する予定昇給率は、過去の平均給与の伸展率を用いるなどの方法により一定率として見込みます。

上記の第36項①より計算が簡便です。

各係数は、実務指針の中で表として提供されていますが、次の算式で計算できます。

予定昇給率の係数=(1+予定昇給率)^平均残存勤務期間

割引率の係数=(1/1+割引率)^平均残存勤務期間

◆ 第36項③ 自己都合要支給額をそのまま用いる方法

期末時点の自己都合要支給額をそのまま退職給付債務とします。

(2)企業年金制度のみを採用している場合(実務指針第36項)

◆ 第36項④ 年金財政計算における数理債務の額(責任準備金)に比較指数を乗じる方法

会計基準適用初年度および基礎率等に重要な変動があった年度に計算した原則法による退職給付債務とその直近の年金財政計算における数理債務の額(責任準備金)との比率を期末時点の直近の年金財政計算における数理債務の額(責任準備金)に乗じて退職給付債務を算定します。

基礎率に重要な変動がない限り、原則法による計算が初回だけで、比較的正確な計算が可能になります。

◆ 第36項⑤ 在籍従業員と年金受給者(受給待期者を含む)ごとに計算する方法

在籍従業員について上記の第36項②または③の方法により計算した額と年金受給者(受給待期者を含む)について期末時点の直近の年金財政計算における数理債務の額(責任準備金)の合計をそのまま退職給付債務とします。

◆ 第36項⑥ 年金財政計算における数理債務の額(責任準備金)をそのまま用いる方法

期末時点の直近の年金財政計算における数理債務の額(責任準備金)をそのまま退職給付債務とします。

(3)退職一時金制度の一部を企業年金制度に移行している場合(実務指針第37項)

◆ 第37項① 退職一時金制度と企業年金制度ごとに計算する方法

退職一時金制度の未移行分に係る退職給付債務は上記の実務指針第36項①から③のいずれかによる方法で算定し、

企業年金制度に移行した分に係る退職給付債務は上記の実務指針第36項④から⑥のいずれかによる方法で算定します。

◆ 第37項② 在籍従業員と年金受給者(受給待期者を含む)ごとに計算する方法

在籍従業員については企業年金制度に移行した分を含めて期末時点の自己都合要支給額を基に算定した額を退職給付債務とし、

年金受給者(受給待期者を含む)については、直近の年金財政計算における数理債務の額(責任準備金)の額を退職給付債務とします。


なお、「直近の年金財政計算における数理債務の額(責任準備金)」は、

当該額が算定された年金財政決算日と退職給付債務を算定する期末時点に相当のタイムラグがある場合は、予定利率を乗じるなどの補正を行うことが望ましいとされています。

また、簡便法による平均残存勤務期間は、

自己都合要支給額や年金財政計算における数理債務の額(責任準備金)に比較指数を乗じる方法を採用した場合は原則法による計算時の数値を使用することができますが、

係数を乗じる方法を採用した場合などでは、定年年齢から貸借対照表日現在の従業員の平均年齢を控除する方法を用います。

次回は、「小規模企業等における簡便法の採用3回目(退職給付引当金と退職給付費用の計算)」を解説をします。

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退職給付会計 | 22:36:29 | Trackback(0) | Comments(0)
小規模企業等における簡便法の採用1回目(概要)
退職給付会計の今回の解説は、「小規模企業等における簡便法の採用1回目(概要)」です。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

従業員が比較的少ない「小規模な企業」は、合理的に数理計算上の見積りを行うことが困難である場合退職給付の重要性が乏しい場合などでは、期末の退職給付の要支給額を用いた見積計算を行うなど「簡便な方法」(以下「簡便法」という)を用いて退職給付債務、退職給付引当金、退職給付費用を計算することが認められます。

「小規模な企業」は、実務指針では原則として退職給付債務の計算対象となる制度ごと従業員数が300人未満の企業としています。

300人という数は、数理計算上の見積りが成立するための母集団として年齢分布(18歳から60歳まで42年間)ごとに7ないし8人必要であるため、あくまで数理計算上の信頼性を確保するために設定されたものと考えられます。

300人以上であっても年齢分布に偏りがある企業では数理計算上の信頼性が確保されないため簡便法によることが可能です。

連結子会社の場合、連結財務諸表原則の会計処理の統一(連結財務諸表原則第三の三)という観点から親会社と類似した退職給付制度を有する子会社は、親会社と同様に原則法を採用することになります。

ただし、簡便法によっても連結財務諸表全体に重要な影響を及ぼさない場合(連結財務諸表原則第ニのニ注解2)は、簡便法によることができます。

このため実務指針では、親会社が原則法を採用していても簡便法が採用できるとされています。

また、退職給付制度ごとに簡便法の採否を決定することができます。

簡便法による退職給付債務の計算は、原則法と異なり、期末時点に計算します。

したがって、過去勤務債務や数理計算上の差異は、期末時点に計算される退職給付債務に含まれ、個別に把握されないことになります(過去勤務債務や数理計算上の差異に係る遅延認識は行われない)。

退職給付債務の計算方法は、実務指針では退職給付制度ごとにいくつかの方法のうち最も合理的な方法を採用することが可能ですが、一度採用した方法は継続使用することが原則です。

次回は、「小規模企業等における簡便法の採用2回目(退職給付債務の計算)」を解説をします。

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退職給付会計 | 20:18:45 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付会計の会計処理方法(仕訳)
退職給付会計の今回の解説は、「退職給付会計の会計処理方法(仕訳)」です。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

退職給付会計では、「退職給付引当金」、「退職給付費用」の勘定科目を用いて会計処理を行いますが、「退職給付引当金」と「退職給付費用」の関係は、以下の算式がベースになります。

退職給付引当金(期末)退職給付引当金(期首)退職給付費用-企業年金制度の掛金拠出額-退職一時金制度による退職金支払額

(1)退職給付費用の計上

仕訳

(退職給付費用) ×××/(退職給付引当金) ×××

(2)企業年金制度での掛金拠出

仕訳

(退職給付引当金) ×××/(現金預金) ×××

(3)企業年金制度に従業員拠出がある場合の掛金拠出

仕訳(給与支給時

(給与) ×××/(現金預金)   ×××
           (従業員預り金) ×××

仕訳(掛金拠出時

(従業員預り金) ×××/(退職給付費用) ×××

(4)退職一時金制度による退職金支払い

仕訳

(退職給付引当金) ×××/(現金預金) ×××

(5)臨時に支給される割増退職金

仕訳

(退職給付費用) ×××/(現金預金) ×××

(6)企業年金制度による給付支払い

仕訳なし

次回は、「小規模企業等における簡便法の採用1回目(概要)」を解説をします。

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退職給付会計 | 19:54:11 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付会計による計算手順9回目(その他退職給付会計の計算手順に係る留意点)
退職給付会計の今回の解説は、「退職給付会計による計算手順9回目(その他退職給付会計の計算手順に係る留意点)」です。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

退職給付会計の計算手順を9回にわたって解説してきましたが、計算手順の解説としては最後です。

(1)キャッシュバランスプランの指標利率

キャッシュバランスプランは、給与やポイント(×ポイント単価)に一定の割合を乗ずる方法により算定した拠出付与額(「拠出クレジット」という場合もあります)を指標利率(定率や20年国債の直近5年平均利回り等の市場金利、またはそれらの組合せたものなど)により再評価し、その累計額を年金規約に定める年金現価で除すことにより給付が決定される給付形態のひとつです。

給付についても指標利率により給付額を再評価する場合や一定期間の据置利率による据置期間を設ける場合もあります。

キャッシュバランスプランは、厚生年金基金制度や確定給付企業年金制度に導入することができるため、企業年金制度として退職給付債務を計算します。

計算過程で計算基礎の一つとして再評価や給付額の改定等に用いる指標利率の予測が必要です。

指標利率の将来予測値は、予測時点の過去の平均値を用いる方法の他、市場や経済環境の将来見通しに基づいた予測値を用いるなどが合理的な方法とされています。

(2)厚生年金基金の代行部分の退職給付債務

代行部分の退職給付債務については、貸借対照表日時点で施行されている法律に基づく代行給付を対象に算定するとされています。

また、代行部分に係る年金資産は、財政運営上も代行部分に係る責任準備金として確保することが要請されている最低責任準備金の額を用いることが望ましいとされています。

(3)厚生年金基金の代行部分返上の退職給付債務

代行返上に伴う代行部分の退職給付債務については、基本的には上記の代行部分の退職給付債務の算定方法と同様ですが、「貸借対照表日時点」を「返還の日(最低責任準備金相当額を国へ現金納付した日)時点」に読み替えます。

なお、将来分支給義務免除の認可を受けている場合は、支給義務を免れている部分を退職給付債務の計算対象にしない一方、将来分支給義務免除により発生する代行部分に係る過去勤務債務を計算することが必要になります。

(4)適格退職年金の併せ給付の退職給付債務

給付減額や定年延長等による「併せ給付」(退職所得控除の適用などのため実際の退職時まで支給を延期する)は、延期期間中に付利をしない限り、給付額が過去勤務期間のみにより計算され、支払時期のみが確定していないため、退職給付債務の計算においては、給付現価による額を用いることができます。

次回は、「退職給付会計の会計処理方法(仕訳)」を解説をします。

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退職給付会計 | 19:09:12 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付会計による計算手順8回目(年金資産が退職給付債務を超過する場合)
退職給付会計の今回の解説は、「退職給付会計による計算手順8回目(年金資産が退職給付債務を超過する場合)」です。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

企業年金制度(厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金)に基づいて積み立てられた年金資産が、当該企業年金制度の退職給付債務を超過するケースがあります。

その原因の一つは実際運用収益が期待運用収益を超過する場合や見積退職給付債務が実際退職給付債務を上回った場合による数理計算上の差異が発生する場合です。

二つ目は給付水準の引き下げによるマイナスの過去勤務債務が発生(退職給付債務の減少)する場合です。

このように年金資産が、企業年金制度に係る退職給付債務に当該企業年金制度に係る未認識数理計算上の差異および未認識過去勤務債務を加減した額を超える場合

原則として当該超過額を退職給付債務から控除することはできないものとし、「前払年金費用」として処理するものとするとされていますが、「注解1.1」による特別な制限として当該超過額を数理計算上の差異や過去勤務債務として取扱わず(退職給付費用のマイナスによる利益や退職給付引当金のマイナスによる資産を計上しない)、「未認識年金資産」として処理(オフバランス処理)することとされました。

しかし、その後の退職給付を巡る環境において、「会計基準」制定時には予測することができなかった以下のような変化が生じました。

・退職給付信託を利用した厚生年金基金代行部分を含む積立不足の解消と、その後に代行返上が可能となった

・厚生年金基金等の掛金減額等の制限緩和

こうした状況により、年金資産が退職給付債務を超過する際の会計処理について、「会計基準第3号」、「適用指針第7号」により「注解1.1」の定めを適用せず、以下のように改正されました。

実際運用収益が期待運用収益を超過するなどによる数理計算上の差異の発生または給付水準を引き下げたことよる過去勤務債務の発生により、年金資産が企業年金制度に係る退職給付債務を超えること(未認識年金資産)となった場合にも、当該数理計算上の差異または過去勤務債務は、企業への当該超過年金資産の返還有無にかかわらず、数理計算上の差異または過去勤務債務に合理的に区分(合理的に区分できない場合は、全額を数理計算上の差異とすることができます)して企業の採用する処理年数および処理方法に従って費用の減額として処理することになりました。

なお、実務指針第31―2項により、実際運用収益が期待運用収益を超過する場合等による数理計算上の差異の発生または給付水準の引き下げによる過去勤務債務が発生(退職給付債務の減少)を原因として、年金資産が企業年金制度に係る退職給付債務を超え、当該超過年金資産の全部または一部を企業へ返還した場合は、返還額を企業の資産と退職給付引当金の増加として処理することとされています。

また、一定の要件のもとに返還額に対応する数理計算上の差異は、損益に計上することとされています。


次回は、「退職給付会計による計算手順9回目(その他退職給付会計の計算手順に係る留意点)」を解説をします。

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退職給付会計 | 20:15:30 | Trackback(0) | Comments(0)
確定拠出年金の中途脱退者のポータビリティーと脱退一時金支給要件の緩和(下)
今回は、脱退一時金を支給する要件です。

企業型確定拠出年金の「脱退一時金」支給要件は、平成17年10月1日から以下のようになりました。

離転職後の被保険者種別等
企業型年金から脱退一時金を支給
個人型年金移換後に脱退一時金を支給
第1号被保険者
自営業者等
資産1.5万円以下可能
できない
第2号被保険者
会社員
企業年金等なし
資産1.5万円以下可能
できない
企業年金等あり
資産1.5万円以下可能
通算拠出期間が3年以下または資産50万円以下可能
第2号被保険者
公務員
資産1.5万円以下可能
通算拠出期間が3年以下または資産50万円以下可能
第3号被保険者
専業主婦
資産1.5万円以下可能
通算拠出期間が3年以下または資産50万円以下可能


支給要件の詳細は、以下の通りです。

1.企業型年金から脱退一時金を支給する要件

 次のいずれの条件にも該当する企業型年金加入者であった者は、加入していた企業型年金の記録関連運営管理機関(JIS&TやNRK等)に脱退一時金を請求することができます。

 脱退一時金の額は、企業型年金規約で定める日(請求した日から起算して3ヶ月を経過する日まで)の個人別管理資産の額です。

◆ 条件1

企業型年金加入者、企業型年金運用指図者、個人型年金加入者または個人型年金運用指図者でないこと。

◆ 条件2

脱退一時金を請求した日に次の個人別管理資産の額(①+②+③+④-⑤)が15,000円以下であること。

① 請求した月の前月末日の個人別管理資産の額

② 事業主が拠出する掛金の未拠出分(加入者の資格を喪失した月の前月までの掛金であって、請求した月の前月末日までに拠出していない掛金)

③ 事業主が実施していた他の制度(厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金、退職一時金制度)から移換される資産であって、請求した月の初日から請求した日までに移換された資産

④ 離転職により企業型年金に移換する脱退一時金相当額等(厚生年金基金、確定給付企業年金の脱退一時金相当額、企業年金連合会の年金給付等積立金もしくは積立金)であって、請求した月の初日から請求した日までに移換された資産

⑤ 企業型年金規約で事業主に使用された期間が3年未満により事業主掛金に相当する額を返還することになっている場合は、当該額

◆ 条件3

最後に企業型年金加入者の資格を喪失した月の翌月から起算して6ヶ月を経過していないこと。

2.個人型年金移換後に脱退一時金を支給する要件

上記の「企業型年金から脱退一時金を支給する要件」に該当しないとき、次のいずれの条件にも該当する場合は、いったん個人型年金運用指図者として個人型年金に移換してから脱退一時金を請求することができます。

また、個人型年金加入者が、資格を喪失して運用指図者となった場合にも次のいずれの条件にも該当する場合は、脱退一時金を請求することができます。

なお、企業型年金加入者の資格を喪失して国民年金基金連合会に自動移換されたその他の者が次のいずれの条件にも該当する場合(条件5(2)については①のみ)は、脱退一時金を請求することができます。

 脱退一時金の額は、個人型年金規約で定める日(請求した日から起算して3ヶ月を経過する日まで)の個人別管理資産の額です。

◆ 条件1

60歳未満であること。

◆ 条件2

企業型年金の加入者でないこと。

◆ 条件3

・国民年金の第1号被保険者でない(国民年金保険料を免除される者等を除く)こと。

・厚生年金保険の被保険者(国民年金の第2号被保険者)であるときは、企業年金等対象者(厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金、石炭鉱業年金基金の加入者等または勤続年数等により企業型年金の加入資格を満たさない者、企業型年金の加入者とならないことを選択した者)であること。

以上は、個人型年金の加入者となることができない者。

◆ 条件4

障害給付金の受給権者でないこと。

◆ 条件5

以下の(1)または(2)であること。

(1)通算拠出期間(企業型年金の通算加入者等期間および個人型年金の加入者として掛金を拠出した期間を合算した期間)が、1ヶ月以上3年以下であること。

(2)脱退一時金を請求した日に次の個人別管理資産の額(①+②+③+④-⑤+⑥)が50万円以下であること。

① 請求した月の前月末日の個人別管理資産の額

② 事業主が拠出する掛金の未拠出分(加入者の資格を喪失した月の前月までの掛金であって、請求した月の前月末日までに拠出していない掛金)

③ 事業主が実施していた他の制度(厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金、退職一時金制度)から移換される資産であって、請求した月の初日から請求した日までに移換された資産

④ 離転職により企業型年金に移換する脱退一時金相当額等(厚生年金基金、確定給付企業年金の脱退一時金相当額、企業年金連合会の年金給付等積立金もしくは積立金)であって、請求した月の初日から請求した日までに移換された資産

⑤ 企業型年金規約で事業主に使用された期間が3年未満により事業主掛金に相当する額を返還することになっている場合は、当該額

⑥ 国民年金基金連合会に移換することとなっていた脱退一時金相当額等(厚生年金基金、確定給付企業年金の脱退一時金相当額、企業年金連合会の年金給付等積立金もしくは積立金)であって、請求した月の初日から請求した日までに移換された資産

◆ 条件6

最後に企業型年金加入者または個人型年金加入者の資格を喪失した日から起算して2年を経過していないこと。

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確定拠出年金制度の運営・管理 | 23:56:16 | Trackback(0) | Comments(0)
確定拠出年金の中途脱退者のポータビリティーと脱退一時金支給要件の緩和(上)
確定拠出年金の中途脱退者について、平成17年10月から「脱退一時金」支給の要件が緩和されました。

緩和された内容は、新しい脱退一時金支給要件の記事を参照してください。

確定拠出年金のポータビリティー(離転職時に個人別管理資産を移換し、加入者期間等を通算する措置)は、厚生年金基金(厚生年金基金の中途脱退者のポータビリティーはココをクリック)や確定給付企業年金の中途脱退者については拡充されましたが、確定拠出年金の中途脱退者は従来どおり、以下の確定拠出年金内での移換のみです。

(1)企業型年金から企業型年金へ移換

・企業型年金の加入者等が、離転職先の企業型年金の加入者となったとき

・企業型年金の障害給付金受給権者が、離転職先の企業型年金の加入者となり移換を申し出たとき

(2)企業型年金から個人型年金へ移換

・企業型年金の加入者であった者が、離転職先に企業型年金がなく、企業年金等(厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金等)もない場合に個人型年金の加入者もしくは運用指図者となったとき、または企業年金等がある場合に個人型年金の運用指図者となったとき

・企業型年金の加入者であった者が、離転職先の企業型年金の勤続年数等による加入資格を満たさないとき、または離転職先の企業型年金の加入者とならないことを選択したときに個人型年金の運用指図者となったとき

・企業型年金の障害給付金受給権者が、個人型年金の加入者となり移換を申し出たとき

(3)個人型年金から企業型年金へ移換

・個人型年金の加入者、運用指図者が、離転職先の企業型年金の加入者となったとき

・企業型年金加入者の資格を喪失した月の翌月から6ヶ月以内に移換の手続きをせずに、国民年金基金連合会に自動移換された者(いわゆる強制移換された「その他の者」)が、企業型年金の加入者となったとき

・個人型年金の障害給付金受給権者が、離転職先の企業型年金の加入者となり移換を申し出たとき

なお、離転職前の事業所で個人型年金に加入していた方が、離転職先の事業所でも個人型年金に加入できる場合は、ポータビリティーではなく、加入者登録事業所の変更に該当(個人別管理資産の移換不要)します。

また、自営業者等国民年金の第1号被保険者になり、引き続き個人型年金に加入する場合は、加入者被保険者種別の変更に該当(個人別管理資産の移換不要)します。

脱退一時金を支給する要件は、次回解説します。

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