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GOROGOROWIN

Author:GOROGOROWIN
経歴:企業年金の事務・システム企画や制度引受・管理業務に永年携わり、関連組織の統合・新設や事業会社の立上げによる事務・システムの構築と運用を行ってきました。現在は内部検査業務に従事しています。

専門:確定拠出年金をはじめとする企業年金の契約引受業務、保全業務の運用と事務・システム構築のアドバイスやコンサルティング、運用スタッフに対するコーチングを専門としています。

保有資格:
社会保険労務士(法3条の有資格者)
1級企業年金総合プランナー(DCプランナー)
宅地建物取引主任者 など

趣味:熱帯魚飼育・観賞、ゴルフ、料理を作ること・食べること、音楽鑑賞(ZARD、Celine Dion等)

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退職給付費用の処理に関する基本的考え方
退職給付会計の今回の解説は、「退職給付費用の処理に関する基本的考え方」についてです。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

退職給付費用の計算方法は、退職給付見込額について合理的な計算方法により各期の発生額を見積もり(注1)、これを一定の割引率および残存勤務期間に基づく現在価値額に割り引く現価方式を採用(注2)することとされました。

このため割引率等の計算基礎が会計数値の計算上重要な要素となることから、計算基礎を合理的に決定することとされています。


(注1)各期の発生額を見積り」(=「退職給付見込額のうち期末までに発生していると認められる額」

各期の退職給付の発生額を見積る方法として、労働の対価として退職給付の発生額を見積もるという観点から、国際的にも合理的で簡便な方法である勤務期間を基準とする方法を原則としました。

また、わが国では、一般的に全勤務期間の給与を体系的に定めている場合が多く、退職給付の算定基礎となる各期の給与額(「ポイント」を含む)に対応する各期の労働の対価が、合理的に反映されていると認められる企業については、全勤務期間の給与総支給額に対する各期の給与額の割合を基準とする方法を用いることも認められます。

なお、退職給付の支給倍率は、一定の勤務期間を経て急増することが一般的であり、労働の対価性より勤続に対する報償的側面を反映していると考えられるため、支給倍率の増加が各期の労働の対価を合理的に反映していると認められる場合を除いて、支給倍率を基準とする方法を用いることは適当でないとしています。

(注2)現価方式を採用

退職給付は支出までに相当の期間があることから、退職給付債務および退職給付費用の計算方法として一定の割引率および残存勤務期間に基づき現在価値額に割り引く現価方式は、個別意見書においても認められており、企業年金制度においても、一般に割引現在価値の考え方を財政計算に用いていることから、退職給付費用の計算は現価方式を原則としました。

次回は、「退職給付会計による計算手順1回目(退職給付債務の計算手順の概要)」について解説します。

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退職給付会計 | 23:39:23 | Trackback(0) | Comments(0)
過去勤務債務および数理計算上の差異の処理に関する考え方(遅延認識と重要性基準)
退職給付会計の今回の解説は、「過去勤務債務および数理計算上の差異の処理に関する考え方(遅延認識と重要性基準)」についてです。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

意見書では、過去勤務債務および数理計算上の差異の処理は、平均残存勤務期間以内の一定の年数で規則的に処理する(発生した期に全額を処理する方法を継続して採用することを含む)こととし、未認識の過去勤務債務および数理計算上の差異は、貸借対照表に計上しないこととされました。

このように一定の年数で規則的に費用として認識、処理する方法を「遅延認識」といいます。

遅延認識は、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用であり、また期間損益を平準化させるという2つの効果から退職給付会計で遅延認識を行うことに合理性があるとされています。

数理計算上の差異の取扱いについては、退職給付債務が長期的な見積計算であることから、基礎率等の計算基礎に重要な変動が生じない場合には計算基礎を変更しないなど、計算基礎の決定にあたっては合理的な範囲で重要性による判断を認める方法(以下「重要性基準」という)によることとされました。

ただし、実務上は割引率の変更要否に10%という基準が設けられています。

次回は、「退職給付費用の処理に関する基本的考え方」について解説します。

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退職給付会計 | 19:37:23 | Trackback(0) | Comments(0)
確定拠出年金法施行規則の一部改正
本日の官報で、確定拠出年金法施行規則の一部が改正されることになりました(平成18年4月1日施行)。

改正範囲は、規則第5条第2項各号の改正規則第20条の二に第3号の追加です。

規則第5条第2項各号の改正は、法第6条第2項ただし書きに定める「特に軽微な変更」(企業型年金規約の変更届出に際して実施事業所の過半数労組または過半数代表の同意は不要)の範囲拡大にあたります。

従来は、企業型年金を実施する事業主、事業所および運営管理業務委託先の運営管理機関、資産管理機関それぞれの住所または所在地の変更に限定されていましたが、名称の変更も「特に軽微な変更」に該当することになりました。

昨今の金融機関を含む企業合併、会社分割の増加にようやく実務的な対応をしていただけたようです。

1月の新メガバンクの誕生後も引き続き大型の金融機関の合併が予定されていると考えるのは、少し穿った見方でしょうか。
それにしても新メガバンクの担当者の方からは、もう少し早く改正してくれればという嘆きが聞こえてきそうです。
銀行名変更のための同意の取り付け大変だったと思います。

なお、確定給付企業年金法施行規則も同日付で同様の改正がされています。

つぎに、規則第20条の二に第3号が追加されたのは、法第26条ただし書きに定める運用の方法の除外に際して当該運用の方法により運用の指図を行っている加入者の同意を不要とする事由拡大にあたります。

追加されたのは、令第15条第1項第3号に定める投資信託、証券投資信託、外国投資信託の受益証券が投資信託約款の規定により信託契約期間を変更して償還されたことを事由とする場合です。

企業型年金規約の運用の方法の除外規定(企業型年金規約雛形第16条)も変更するほうが望ましいですが、敢えてこの追加だけのために年金規約を変更する必要はないと思われます。

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確定拠出年金LIVE! | 23:51:13 | Trackback(0) | Comments(0)
確定拠出年金法改正要望・・・本人拠出の容認について
最近、業界団体や企業年金の研究機関等では、確定拠出年金制度の法改正要望事項の取りまとめを急ピッチで進めています。

これらの改正要望案のうち、個人的に気になる点がいくつかあります。

その一つは、本人拠出の容認についてです。

容認を求める方々は、建前として確定拠出年金の趣旨である自助努力、自己責任の醸成を図る観点から本人拠出が必要とされているようです。

また、米国401kプランの特徴の一面を捉えた「マッチング拠出」が必要とされている場合もあります。

そもそも米国の内国歳入法401条(k)項の条件を満たしたプラン(通称「401kプラン」)では、拠出の主体が従業員であって、課税前の給与・ボーナスから一定率の掛金を拠出(拠出額は、従業員の課税所得から控除されるが、税務上は事業主が拠出した掛金とされる)し、この拠出額に対する一定率を事業主が上乗せ拠出したものを「マッチング拠出金」といいます。

その他、従業員の課税後の給与・ボーナスからの拠出も可能になっています。
この拠出金は、他の拠出金と同様に運用時は課税が繰り延べられますが、受取時には運用収益部分が課税されます。
したがって、他の拠出金と課税方法が異なるため、記録管理を別勘定にするなど管理が複雑になります。

日本の確定拠出年金制度、特に企業型年金の拠出の主体は事業主であり、従業員ではありません(事業主に使用された期間が3年未満のときは掛金相当額の事業主返還も認められている)。

したがって、日本の確定拠出年金制度に「マッチング拠出」という概念はなじまないと思います。

少し話が飛びますが、平成10年(1998年)秋頃(だったと思います)から、確定拠出年金の記録関連運営管理会社の共同事業化に伴い、事務システムの立上げに携わりました。

その頃は、確定拠出年金法もおぼろげな姿が見えてきた頃で、従来の企業年金の経験だけでは右往左往の状態でした。

やはり米国401kプランの記録関連業務の実例研究が必要ということになり、米国の日本法人のコンピューター会社やコンサルティング会社から教えを請うことになりました。

コンサルティング会社からは、当時の「ベストプラクティス(最高水準の事例)」という触れ込みで通訳を介した数日の講義が続きました。

その成果を持ち寄り、各社の担当者が会して検討を開始しました。
相当の時間をかけて検討してきましたが、結局は、米国の401kプランと日本の確定拠出年金制度はそれぞれの特徴を持った制度であり、事例として参考になるものの、そのまま活用することはできないという結果になりました。

また、法案の内容が具体的になってくると、制度の維持・管理を担う専門性を有する関係機関(会社)が多くなり、各関係機関とのリレーション確保や加入者の記録管理のために膨大なシステム構築が必要になってきました。

その後の法施行から現在に至っていますが、改正要望案のうち本人拠出の容認については、

米国の401kプランと日本の確定拠出年金制度はそれぞれの特徴がある、異なる制度であること、

現行のシステムにさらに過大な負担をかけることによるコストの増大は避けるべきであること

を前提に検討していただきたいと願っています。

平成17年10月の法改正により、適格退職年金制度、厚生年金基金制度、確定給付企業年金制度からの移換に際して、本人拠出分についても従業員の同意により移換できることになり、これによって企業年金制度のすべての資産を確定拠出年金制度に移換することができるようになりました。

しかし、本人拠出分の課税上の取扱いは事業主が拠出した掛金と同様となり、給付時には本人が拠出した掛金自体にも課税されることとなりました(特別法人税は凍結中)。

本人拠出分は、本来は課税後所得(給与)からの拠出であるため、拠出期間中および年金受給中の特別法人税課税および給付時の課税対象額から控除すべきであり、従来の適年等の企業年金制度の課税計算上は控除されていました。

一方、個人型では同じ課税後所得からの拠出でありながら拠出額の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)されており、不公平感がある取扱いになっています。


(注)厚生年金基金制度の本人拠出分は、全額が社会保険料控除となりますが、適格退職年金制度、確定給付企業年金制度の本人拠出分は、生命保険料控除でほとんど所得控除の効果はないと思われます。

したがって、企業型の中で本人拠出を実施し、拠出額を所得控除することになると、すでに本人拠出分を移換した者との課税上の公平性が確保されません。

また、税法上の取扱いを区分するために、企業型記録関連運営管理機関による個人別管理資産の残高管理システムの構築、運用に係るコスト面の負荷が大きく、相当な開発期間も必要になります。

現実的な対応としては、一定の要件のもとで企業型と個人型の同時加入により、個人型において本人拠出を容認するほうが実現の可能性は高いと考えられます。

なお、同じ課税後所得の拠出による財形年金制度は、所得控除がなく、預貯金型商品で元利合計550万円、保険型商品で払込累計額(元本部分)385万円(住宅財形は含まない)まで非課税という扱いがされており、財形年金との制度上の位置付けも明確にする必要があります。

今後ますます検討が進んでいくことになりますが、考え方を含めて注視していきたいと思います。

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確定拠出年金LIVE! | 18:24:15 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付引当金と退職給付債務との関係
今回は、「退職給付引当金と退職給付債務との関係」について解説します。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

退職給付引当金退職給付債務との関係は、以下のとおりになります。

退職給付引当金期末)退職給付債務-年金資産(公正な評価額)-未認識の過去勤務債務-未認識の数理計算上の差異-会計基準変更時差異の未処理額

なお、上記の未認識の過去勤務債務、未認識の数理計算上の差異、会計基準変更時差異の未処理額は、増減額処理または損益処理が必要になる場合などがあるため、調整要素として(-)を(+-)と表記する場合もあります。

上記のうち、
(1)「未認識の過去勤務債務」は、退職給付水準の改定等により発生した退職給付債務の増加または減少部分であり、このうち未だ費用処理(費用の減額処理または費用を超過して減額した場合の利益処分を含む)されていないものです。

(2)「未認識の数理計算上の差異」は、

(a)退職給付債務の数理計算に用いた見積数値と実績との差異

(b)見積数値の変更等により発生した差異

(c)年金資産の期待運用収益と実際の成果との差異

などから構成され、このうち未だ費用処理されていないものです。

(3)「会計基準変更時差異の未処理額」は、新会計基準への切り替えに伴い発生した債務のうち、未だ費用処理されていないものです。

なお、企業年金制度の年金資産については、非常に大切な論点がありますが、後日詳しく解説します。

次回は、「過去勤務債務および数理計算上の差異の処理に関する考え方(遅延認識と重要性基準)」について解説します。

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退職給付会計 | 23:07:44 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付引当金と退職給付費用との関係
今回は、「退職給付引当金と退職給付費用との関係」について解説します。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

退職給付引当金退職給付費用との関係は、以下のとおりです。

退職給付引当金(期末)退職給付引当金(期首)退職給付費用-企業年金制度の掛金拠出額-退職一時金制度による退職金支払額

なお、退職給付費用企業年金制度の掛金拠出額のときは、超過部分を経過的に「前払年金費用」として資産計上します。

企業年金制度の掛金拠出額が退職給付費用を超過する場合があるのは、企業年金制度による年金財政計算と企業会計による期間損益計算では計算目的が異なり、各期に配分される額も異なるためです。

企業年金制度による年金財政計算については、後日解説します。

次回は、「退職給付引当金と退職給付債務との関係」について解説します。

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退職給付会計 | 19:27:45 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付費用と構成要素
今回は、「退職給付費用と構成要素」について解説します。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

前回の解説の中で出てきた「退職給付費用」は、勤務費用、利息費用、期待運用収益、過去勤務債務費用処理額、数理計算上の差異費用処理額、会計基準変更時差異費用処理額から構成されています。

退職給付費用と各構成要素とは以下の関係になります。

退職給付費用勤務費用利息費用期待運用収益過去勤務債務費用処理額数理計算上の差異費用処理額会計基準変更時差異費用処理額

なお、上記の過去勤務債務費用処理額、数理計算上の差異費用処理額、会計基準変更時差異費用処理額は、費用の減額処理または費用を超過して減額した場合の利益処理が必要になる場合などがあるため、調整要素として(+)を(+-)と表記する場合もあります。

上記の構成要素のうち、

(1)「勤務費用」は、退職時に見込まれる退職給付の総額(注1)のうち、当期に発生していると認められる額を一定の割引率および予想される退職時から現在までの期間(以下「残存勤務期間」という)に基づいて割引計算します。


(注1)「退職時に見込まれる退職給付の総額」(以下「退職給付見込額」という)

退職給付の実際の支払いは、退職時における退職給付の額に基づいて行われるものであり、現在時点の退職給付の支払額のみに基づいて将来の退職給付の額を見積もることは、退職給付の実態を適切に反映していないと考えられます。

したがって、退職時に見込まれる退職給付の額は、退職時までに合理的に見込まれる退職給付の変動要因(予定昇給率、退職事由別退職確率、予定死亡率、予定脱退率、予定一時金選択率など)を考慮して見積もることとしています。

(2)「利息費用」は、割引計算により算定された期首時点における退職給付債務について、期末までの時の経過により発生する計算上の利息の額で、期首の退職給付債務に一定の割引率を乗じて計算します。

(3)「過去勤務債務費用処理額」は、退職給付の給付水準の改定により従前の給付水準に基づく計算との差異として発生する過去勤務債務のうち当期の費用として処理される額で、各期の発生額について平均残存勤務期間(注2)以内の一定の年数で按分した額を毎期処理します。

なお、すでに退職した従業員に対応する部分は、他の過去勤務債務と区分して発生時に全額を費用処理することができます。
(注2)平均残存勤務期間

実務指針では、平均残存勤務期間は、現役の従業員集団について退職給付債務の算定に使用した予定退職率と予定死亡率を用いて計算することを原則としていますが、実務上の観点から、定年年齢等の標準的な退職年齢から貸借対照表日現在の平均年齢を控除して算定する方法も認められています。

(4)「数理計算上の差異費用処理額」は、数理計算上の差異のうち当期の費用として処理される額で各期の発生額について、過去勤務債務の費用処理額と同様に原則として平均残存勤務期間以内の一定の年数で按分した額を毎期処理します。

なお、数理計算上の差異の当期発生額は、翌期から費用処理することができます。

(5)「過去勤務債務費用処理額」と「数理計算上の差異費用処理額」の費用処理年数は、企業会計原則の継続性の原則により毎期同一のものとする必要があります。

なお、数理計算上の差異と過去勤務債務とは発生要因や債務の性格が異なるため、処理方法や処理年数が同一である必要はありません。

数理計算上の差異が経常的、継続的に発生することが想定され、各期の発生額、時期が異なっても発生要因や費用としての性質は同質であると思われることから、定率法(平均残存勤務期間以内の一定の年数で未認識額の概ね90%が処理されるように未認識残高の一定率を認識する方法)による処理方法も合理的であるとされています。

(6)「会計基準変更時差異費用処理額」は、新会計基準への切り替えに伴い発生した会計基準変更時差異のうち当期の費用として処理される額で15年以内の一定年数で按分した額を毎期処理します。

なお、一度採用した処理年数は原則として変更できません。


次回は、「退職給付引当金と退職給付費用との関係」について解説します。

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退職給付会計 | 19:59:12 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付会計基準の基本的考え方2回目(退職給付に係る会計処理)
今回は、退職給付会計基準の基本的考え方2回目(退職給付に係る会計処理)を解説します。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

退職給付に係る会計処理は、企業会計原則に基づく基本的な会計処理の考え方である、将来の退職給付のうち当期の負担に属する額(以下「退職給付費用」という)を当期の費用として引当金(以下「退職給付引当金」という)に繰り入れ、この退職給付引当金の残高を貸借対照表の負債の部に計上し、退職給付費用は、損益計算書に計上します。

また、退職給付に係る会計処理に特有の事象について以下のような考え方を採用しました。

(1)負債の計上にあたって、企業年金制度に基づく退職給付においては、外部に積み立てられた年金資産を差し引くとともに、年金資産の運用により生じると期待される収益である期待運用収益(注)を退職給付費用の計算において差し引く。

(2)退職給付の水準の改訂および退職給付の見積りの基礎となる計算要素の変更等により生じる過去勤務債務数理計算上の差異は、原則として負債の計上にあたり差し引くとともに一定期間にわたり規則的に費用として処理する。

(注)期待運用収益

企業年金制度の年金資産の運用により生じると期待される収益で、期首の年金資産額に合理的に予測される収益率(以下「期待運用収益率」という)を乗じて計算します。

次回は、少し長めになりますが、「退職給付費用と構成要素」について解説します。

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退職給付会計 | 17:57:00 | Trackback(0) | Comments(0)
カテゴリー退職給付会計 メニュー
退職給付会計の基本から解説するメニューです。

確定拠出年金 総合メニューのカテゴリー退職給付会計の各タイトルを移動しました。

 1. 退職給付会計とは

 2. 退職給付会計基準の検討経緯1回目

 3. 退職給付会計基準の検討経緯2回目(退職給付債務の概念)

 4. 退職給付会計基準の検討経緯3回目

 5. 退職給付会計基準の検討経緯4回目(退職給付会計に係る基準、指針等)

 6. 退職給付会計基準の基本的考え方1回目

 7. 退職給付会計基準の基本的考え方2回目(退職給付に係る会計処理)

 8. 退職給付費用と構成要素

 9. 退職給付引当金と退職給付費用との関係

10. 退職給付引当金と退職給付債務との関係

11. 過去勤務債務および数理計算上の差異の処理に関する考え方(遅延認識と重要性基準)

12. 退職給付費用の処理に関する基本的考え方

13. 退職給付会計による計算手順1回目(退職給付債務の計算手順の概要)

14. 退職給付会計による計算手順2回目(退職給付債務の計算プロセスと勤務費用)

15. 退職給付会計による計算手順3回目(退職給付見込額の算定)

16. 退職給付会計による計算手順4回目(退職給付見込額のうち期末までに発生していると認められる額)

17. 退職給付会計による計算手順5回目(期末までに発生していると認められる額の残存勤務期間による割引現在価値を算定)

18. 退職給付会計による計算手順6回目(退職給付引当金の計算手順と年金資産について)

19. 退職給付会計による計算手順7回目(退職給付信託について)

20. 退職給付会計による計算手順8回目(年金資産が退職給付債務を超過する場合)

21. 退職給付会計による計算手順9回目(その他退職給付会計の計算手順に係る留意点)

22. 退職給付会計の会計処理方法(仕訳)

23. 小規模企業等における簡便法の採用1回目(概要)

24. 小規模企業等における簡便法の採用2回目(退職給付債務の計算)

25. 小規模企業等における簡便法の採用3回目(退職給付引当金と退職給付費用の計算)

26. 小規模企業等における簡便法の採用4回目(簡便法採用の留意点)

27. 債務の認識方法と割引率のダブルスタンダード(企業年金制度の財政検証)

28. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理1回目(概要)

29. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理2回目(退職給付債務が増加または減少する場合とは)

30. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理3回目(退職給付制度の終了とは①)

31. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理4回目(退職給付制度の終了とは②)

32. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理5回目(退職給付制度の終了とは③)

33. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理6回目(退職給付債務の増額又は減額とは)

34. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理7回目(退職給付制度の終了の会計処理)

35. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理8回目(退職給付制度の終了の会計処理が適用される具体例と終了の時点)

36. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理9回目(確定給付型の退職給付制度間の移行に係る会計処理)

37. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理10回目(退職給付債務の増額又は減額の会計処理)

38. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理11回目(簡便法適用企業における退職給付制度の終了の会計処理)

39. 退職給付制度間の移行等に関する会計処理12回目(経過措置の適用)

40. 会計処理の設例1(確定給付型の退職給付制度から確定拠出型への退職給付制度間の移行:前提条件

40. 会計処理の設例1(確定給付型の退職給付制度から確定拠出型への退職給付制度間の移行:会計処理

41. 会計処理の設例2(退職一時金制度から確定拠出型への退職給付制度間の移行〔分割移換〕:前提条件

42. 会計処理の設例2(退職一時金制度から確定拠出型への退職給付制度間の移行〔分割移換〕:会計処理

43. 会計処理の設例3(退職一時金制度から確定拠出型への退職給付制度間の移行〔経過措置〕:前提条件

44. 会計処理の設例3(退職一時金制度から確定拠出型への退職給付制度間の移行〔経過措置〕:会計処理

45. 会計処理の設例4(確定給付型から確定拠出型への退職給付制度間の移行〔将来勤務に係る部分から移行〕:前提条件

46. 会計処理の設例4(確定給付型から確定拠出型への退職給付制度間の移行〔将来勤務に係る部分から移行〕:会計処理

47. 会計処理の設例5(確定給付型の退職給付制度から複数の他の退職給付制度への移行〔支払等を伴う場合〕:前提条件

48. 会計処理の設例5(確定給付型の退職給付制度から複数の他の退職給付制度への移行〔支払等を伴う場合〕:会計処理

49. 会計処理の設例6(確定給付型の退職給付制度から他の退職給付制度への移行〔支払等を伴わない場合〕:前提条件

50. 会計処理の設例6(確定給付型の退職給付制度から他の退職給付制度への移行〔支払等を伴わない場合〕:会計処理

51. 会計処理の設例7(大量退職:前提条件

52. 会計処理の設例7(大量退職:会計処理

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退職給付会計 | 00:32:21 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付会計基準の基本的考え方1回目
今回は、退職給付会計基準の基本的考え方についての1回目です。

退職給付会計について30回程度?の連載でご紹介していく予定です。
前後のつながりが分かりにくいときは、カテゴリー退職給付会計 メニューの他の記事も参照してください。

意見書では、会計基準の検討にあたって、退職給付は基本的に従業員の勤務期間を通じた労働の提供に伴って発生するものと捉えることにしました。

このような捉え方に立てば、退職給付はその発生が当期以前の事象に起因する将来の特定の費用的支出であり、「当期の負担に属すべき退職金の金額は、その支出の事実に基づくことなく、その支出の原因又は効果の期間帰属に基づいて費用として認識する。」という企業会計における考え方は、企業年金制度による退職給付についても同じく当てはまると考えられ、その発生した期間に費用として認識することが必要であるとされました。

なお、役員の退職慰労金は、労働の対価との関係が必ずしも明確でないとして新しい会計基準では直接の対象としていません。

企業年金制度の取扱いについて、会計基準では確定給付型の企業年金制度(注)を前提とした会計処理を示しています。

その中で、厚生年金基金制度のように給付水準や財政計算が異なる部分(加算部分や代行部分)から構成されている制度や従業員からの拠出部分がある制度について、次のような考え方を採りました。

(1)厚生年金基金制度のように給付水準や財政計算が異なる部分(加算部分や代行部分)から構成されている制度

実態として、一つの運営主体によって資産が一体運用され、一括して給付が行われており、区分計算が困難であること。

また、母体企業が制度の運営および維持に実質的に関与し、過去勤務債務等が発生したときには、通常、金額を母体企業が負担している場合が多いこと。

以上のことから、企業会計においては、それぞれの部分を区分せずこれを全体として一つの退職給付制度とみなして、財政計算上の計算方法にかかわらず同一の会計処理を適用する。


(2)従業員からの拠出部分がある制度

従業員拠出部分の退職給付債務は、従業員からの拠出額とみなして、会計上の計算を行うため、母体企業は従業員拠出部分も含め、全体として退職給付債務及び退職給付費用の計算を行い、この退職給付費用から従業員拠出額を控除した額を母体企業が認識すべき退職給付費用とする。


一方で、確定拠出年金制度や中小企業退職金共済制度のような将来の退職給付について拠出以後に追加的な負担が生じない外部拠出型の制度に関する会計基準は示していませんが、基本的には当該制度に基づく要拠出額をもって費用処理をすることが適当であるとしています。


(注)「確定給付型の企業年金制度」

給付額が、あらかじめ年金規程等で決められた方法で計算される制度で厚生年金基金制度、確定給付企業年金制度、適格退職年金制度が該当します。


次回は、退職給付会計基準の基本的考え方2回目(退職給付に係る会計処理)を解説します。

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退職給付会計 | 23:55:01 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付会計基準の検討経緯4回目(退職給付会計に係る基準、指針等)
今回は、退職給付会計基準の検討経緯4回目として、退職給付会計に係る基準、指針等を参考にご紹介します。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

今後の解説にも登場しますが、一部の基準、指針等は以下のホームページでも公開されています。
日本公認会計士協会や企業会計基準委員会の資料は、有料ですが、概要の解説があります。

企業会計審議会

日本公認会計士協会

日本年金数理人会

企業会計基準委員会

現在までに公表された退職給付会計に係る基準、指針等は、以下の通りです。

◆ 企業会計審議会 「退職給付に係る会計基準」、「退職給付に係る会計基準注解」(平成10年6月16日)以下「会計基準」および「注解」といいます。

◆ 日本公認会計士協会 会計制度委員会報告第13号 「退職給付に関する実務指針(中間報告)」(平成11年9月14日、直近改正平成17年3月16日)以下「実務指針」といいます。

◆ 日本アクチュアリー会、日本年金数理人会 「退職給付会計に係る実務基準」(平成11年9月2日、直近改定平成15年11月12日)以下「実務基準」といいます。

◆ 日本公認会計士協会 会計制度委員会 「退職給付会計に関するQ&A」(平成12年1月19日、直近改正平成17年3月16日)

◆ 企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第1号 「退職給付制度間の移行等に関する会計処理」(平成14年1月31日)

◆ 企業会計基準委員会 実務対応報告第2号 「退職給付制度間の移行等の会計処理に関する実務上の取扱い」(平成14年3月29日)

◆ 企業会計基準委員会 企業会計基準第3号 「『退職給付に係る会計基準』の一部改正」(平成17年3月16日)以下「会計基準第3号」といいます。

◆ 企業会計基準委員会 企業会計基準適用指針第7号 「『退職給付に係る会計基準』の一部改正に関する適用指針」(平成17年3月16日)以下「適用指針第7号」といいます。


次回は、退職給付会計基準の基本的考え方1回目を解説します。

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退職給付会計 | 00:07:24 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付会計基準の検討経緯3回目
今回は退職給付会計基準の検討経緯3回目を解説します。

今回の解説は、退職給付会計基準の検討経緯1回目の続きです。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

1回目では、「個別意見書等が公表された当時、適格退職年金(昭和37年)や厚生年金基金(昭和41年)という企業年金制度が導入されて間もなかったため、企業年金制度に基づく退職給付の会計処理については明確な基準が示されませんでした。」という解説で終わりました。

3回目の本題です。

個別意見書等が公表された後、退職一時金制度の一部を企業年金制度に移行し、両者を併用するケースが多くなりました。

この結果は、先の「退職給付会計とは」で述べたように退職一時金制度は退職給与引当金による処理が行われ、企業年金制度は掛金拠出時の費用として処理され、同じ退職給付でも会計処理が異なることになりました。

また、バブル崩壊後は、特に企業年金制度の積立資産の利回り低下、含み損の増加等により、将来の年金給付に必要な資産を確保することに懸念が生じるようになりました。

必要な資金の不足は、企業の年金給付コストの増加と財政状況の悪化となり、企業年金に係る情報が投資情報や企業経営の観点からも極めて重要なものになってきました。

このような状況から企業年金等に係る会計基準を設定することにより、年金資産や年金負債の現状を明らかにするとともに、企業が負担する退職給付に係る費用について適正な会計処理を行っていくことが必要になりました。

また、退職給付は、支給方法(一時金支給、年金支給)や積立方法(内部引当、外部積立)が異なっているとしても、いずれも退職給付であることから、退職給付制度ごとに異なっていた会計処理やディスクロージャーを国際的にも通用する内容にする必要があり、企業年金制度を含めた従業員の退職給付全般について包括的な検討が行われました。

企業会計審議会は、平成10年4月に検討結果を公開草案として公表し、平成10年6月16日に退職給付制度に共通する会計基準として退職給付に係る会計基準の設定に関する意見書(以下「意見書」という)を公表しました。

次回は、退職給付会計基準の検討経緯4回目として、その他の退職給付会計に係る基準、指針等を参考にご紹介します。

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退職給付会計 | 18:05:33 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付会計基準の検討経緯2回目(退職給付債務の概念)
今回は、退職給付債務の概念について解説します。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

退職給付債務は、退職給付会計基準の定義では、「一定の期間にわたり労働を提供したこと等の事由に基づいて、退職以後の従業員に支給される給付(退職給付)のうち認識時点までに発生していると認められるものをいい、割引計算により測定される。」としています。

このような退職給付債務の概念は次の3つですが、退職給付会計基準では予測給付債務PBO)を採用しています。

(1)予測給付債務PBO:Projected Benefit Obligation)

退職給付制度に基づき、従業員の現在時点までの勤務期間による退職給付について、制度が存続することを前提として予測される将来の昇給を見込んで計算された数理計算上の現在価値

(2)累積給付債務ABO:Accumulated Benefit Obligation)

PBOのうち、将来の昇給を見込まずに計算された数理計算上の現在価値

(3)確定給付債務VBO:Vested Benefit Obligation)

ABOのうち、受給権取得者だけを対象として計算された数理計算上の現在価値

また、上記のような退職給付債務の現在価値を測定するためには、年金数理計算が必要になります。

年金数理計算の方法にはさまざまな方法がありますが、現在価値を測定する方法には「予測給付評価方式」と「発生給付評価方式」があります。

退職給付会計基準では発生給付評価方式を採用しています。

(1)予測給付評価方式

退職給付が従業員の過去と将来の全勤務期間にわたって均等に発生するという考え方の評価方式です。

厚生年金基金や確定給付企業年金の財政検証における継続基準による債務の認識方法に採用されています。

いわゆる収支相当の原則が成立することを目的としています。

(2)発生給付評価方式

退職給付が従業員の労働の提供に応じて発生するという考え方の評価方式です。

退職給付コストの認識として企業会計上の発生主義の考え方と整合するものです。

厚生年金基金や確定給付企業年金の財政検証における非継続基準による債務の認識方法に採用されています。

なお、退職給付会計基準で採用する現在価値を測定する方法として発生給付評価方式の一つである予測単位積増方式を採用しているとされる場合もあります。

次回は、退職給付会計基準の検討経緯3回目を解説します。

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退職給付会計 | 19:43:49 | Trackback(0) | Comments(0)
退職給付会計基準の検討経緯1回目
退職給付会計カテゴリーの初回解説から2ヶ月ぶりとなってしまいましたが、今回から会計基準整備の経緯、考え方や具体的な計算プロセス、会計処理(考え方、設例)、税務上の取扱いなどを30回程度に分けて順次解説します。

退職給付会計の他の記事は、カテゴリー退職給付会計 メニューを参照してください。

まずは、会計基準整備の経緯と基本的な考え方について退職給付会計基準の検討経緯から解説します。
今回はその1回目です。

退職給付(注1)のうち、退職一時金制度のように企業が直接給付を行う形態に関する会計基準の検討は、まず税法上の「退職給与引当金」(昭和27年導入、平成14年廃止)に対するものでした。

それまで退職給与引当金に対する公的な見解がなかったため、昭和37年3月1日に正規監査委員会から監査上の意見として「退職給与引当金に関する監査意見の表明」が公表され、税法上の損金繰入限度額以上の額を毎期規則的に繰入れなければならないとされました。

しかし、その後も引当を行っていない会社や残高が不足する会社が散見されたということもあり、企業会計審議会から個別意見書「退職給与引当金の設定について」(以下「個別意見書」という)が昭和43年11月11日に公表され、退職給与引当金の性格、設定意義、準拠すべき会計処理基準が明らかになりました。

具体的な指針は、日本公認会計士協会から「退職給与引当金に関する会計処理及び監査上の取扱い」が公表され、これらにより、退職給付のうち企業が直接給付を行う形態に関する会計基準が明らかになりました。

ただ、個別意見書等が公表された当時、適格退職年金(昭和37年)や厚生年金基金(昭和41年)という企業年金制度が導入されて間もなかったため、企業年金制度に基づく退職給付の会計処理については明確な基準が示されませんでした。

(注1)「退職給付」
一定の期間にわたり労働を提供したこと等の事由に基づいて、退職以後に従業員に支給される給付をいい、退職一時金制度による退職一時金や企業年金制度による退職年金等が典型的なものです。

退職給付の性格について、個別意見書では、賃金後払説、功績報償説、生活保障説といったいくつかの考えを示しつつ、「企業会計においては、退職給付は基本的に労働協約等に基づいて従業員が提供した労働の対価として支払われる賃金の後払いである」としました。

また、「退職給付」のうち認識時点までに発生していると認められる額を一定の割引計算により測定したものを「退職給付債務」といいます。


次回は、退職給付債務の概念について解説します。

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退職給付会計 | 19:53:38 | Trackback(0) | Comments(0)
確定拠出年金企業型年金規約の解説(別表と補足)

確定拠出年金企業型年金規約雛型の内容や根拠法令等を30回にわたり解説してきましたが、今回は雛型の本則に出てきた別表の書式をご紹介して最後とします。


 なお、企業型年金規約は、運営管理業務を委託される運営管理機関が申請手続きと併せて作成するケースが一般的ですが、どの運営管理機関が作成した規約も解説に使用した雛型の内容や根拠法令等に準拠して作成されていますので、大きな相違点はありません。


 また、それぞれの運営管理機関は、再委託先の記録関連運営管理機関(例えば、NRKやJIS&T)の実務面、システム面を熟知しており、それらを踏まえて規約を作成しています。


 したがって、確定拠出年金制度の導入前に作成する規約案や申請の際の規約は、事前に根拠となる法令を理解したうえで運営管理機関が提供する規約をベースに検討されることをお勧めします。


 企業型年金規約の解説は今回が最後ですが、次回からは確定拠出年金制度を導入する際に影響が大きい退職給付会計について概要を解説します。


 それでは別表の形式です。



別表第1

実施事業主(第2条関係)

名    称

住          所

○ ○  ○ ○

東京都千代田区○○○4-4-4

* *  * *

埼玉県さいたま市***5-5-5



別表第2

実施事業所及び加入者の範囲(第3条、第6条及び第7条関係)



実施事業所の名称及び所在地

(ア)

加入者となる時期(イ)

加入者とならない者の範囲(ウ)

(ウ)を定めた就業規則(エ)

○○株式会社

東京都中央区○○6-6-6

入社した日

退職金の前払いの適用者

給与規程第○○条

**株式会社

東京都新宿区**7-7-7

入社した日

退職金の前払いの適用者

給与規程第**条



別表第3

掛金の形態等(第13条関係)



実施事業所の名称(ア)

掛金の形態(イ)

定額掛金の額(ウ)

定率掛金の率(エ)

定率掛金の基礎とする基準給与を定めた就業規則(オ)

○○株式会社

定率

 

5%

退職年金規程第○○条

**株式会社

定額

一律

3万円

 

 



別表第4


個人別管理資産の額を事業主に返還する場合の条件等(第43条関係)



実施事業所の名称

(ア)

勤続期間

(イ)

資格喪失の事由

(ウ)

事業主返還を定めた就業規則(エ)

○○株式会社

3年

自己都合による退職

就業規則第○○条

**株式会社

3年

自己都合による退職

就業規則第○○条



 


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確定拠出年金企業型年金規約 | 20:24:03 | Trackback(0) | Comments(0)
確定拠出年金企業型年金規約の解説(附則  退職手当制度からの移換と最終条)
今回は、確定拠出年金企業型年金規約の附則に係る「退職手当制度を変更して資産を移換する場合の取り扱い」と最終条にあたる「事業年度に関する経過措置」を解説します。



<退職手当制度を変更して資産を移換する場合の取り扱い>
(退職手当制度からの資産の移換)
第3条 資産管理機関は、確定拠出年金法第54条の規定に基づき、○○会社の退職手当制度に係る退職給与規程を改正<廃止の場合は、「廃止」と規定>することにより、資産の移換を受けるものとする。
2 前項の規定により移換を受けた資産は、この規約の施行日における加入者<加入者の一部について資産の移換を受ける場合にあっては、「加入者のうち○○」と規定>(以下、この条において「移換対象者」という。)の個人別管理資産に充てるものとする。
3 前項に規定する個人別管理資産に充てる額は、各移換対象者について、○○会社の退職給与規程の改正日における当該改正に伴う、自己都合退職の場合の期末要支給額の差額に移換が完了するまでの間に係る利子相当額を加えた額のうち、既に資産の移換を受けた額とする。
4 前項に規定する利子相当額の算定に用いる利率は、○.○%とする。
5 前四項の規定により資産の移換を受けた場合には、第10条の規定にかかわらず、各移換対象者の○○会社に勤務した期間を、通算加入者等期間に算入するものとする。
6 第1項に規定する資産の移換は平成○○年から平成○○年までの間、毎年○○月○○日に行うこととする。ただし、平成○○年○○月○○日前に、第○○条の規定により加入者の資格を喪失する場合には、当該加入者に係る移換資産のうちまだ資産の移換を受けていないものを、喪失した月の翌月の○○日に、一括して移換する。

解 説
① 退職手当制度の改正日または廃止日(本制度の施行日と同日)、移換対象者および移換日を規定します。

② 退職手当制度からの制度移換の場合は、制度移換に先立って退職手当の増額等の有無、制度移換の額、時期、改正理由等から客観的に当該退職手当制度の改廃による制度移換が主として掛金拠出限度額を超えて行うことを目的としていないことが前提になります。

③ 移換対象者を最初の移換日におけるDC加入者に限定することも可能です。

④ 加入者の一部の者が資産の移換を受ける場合にあっては、就業規則等により移換を受ける者の名称、職種等を規定します。

⑤ 本則第3項、第4項は移換金に付利しない場合は該当箇所を削除します。
付利は任意で労使合意により決定します。
また、付利の計算方法は合理的なものであれば月複利、年複利、年単利等、合意があればいずれでも可能です。
なお、分割期間に応じて付利計算した利子相当額を加えた移換総額は分割期間(年度単位)で均等に按分します。
付利利率は、法令解釈第5―2によりDB規則第43条第2項第1号の規定に基づき厚生労働大臣が定める利率とされます。

⑥ 本則第1項の移換資産の額の算定は令第22条(他の制度の資産の移換の基準)第5項に基づき自己都合要支給額によりますが、本則第3項の移換対象者ごとの移換額の按分方法は労使合意により決定することができます。

⑦ 本則第3項の各年度の資産受入は、年度単位の1回だけでなく、毎月でも可能です。
ただし、各年度単位では均等額を移換します。
また、ここでいう年度とは国の会計年度である4月から翌年3月であり、退職手当制度の改正日または廃止日が属する年度から移換が開始されます。



(事業年度に関する経過措置)
第4条 この規約を施行する当初の事業年度は、本則第50条の規定にかかわらず、この規約の施行の日に始まり、平成○○年○○月○○日に終わるものとする。

解 説
① 本制度の事業初年度の開始日を本則第50条に関らず施行日とするための経過措置です。

② 事業年度末は、本則第50条に基づく規定です。

③ 条数は上記までの条数に合わせて変更します。

④ 本則第50条の事業年度始と同一月に発足した制度は、この条は不要です。

次回は、いよいよ確定拠出年金企業型年金規約解説の最後になりますので、企業型年金規約作成に関連した補足的な解説と本則の中に出てきた各別表の形式をご紹介します。

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確定拠出年金企業型年金規約 | 19:01:46 | Trackback(0) | Comments(0)
確定拠出年金企業型年金規約の解説(附則 適格退職年金契約からの移換 )
今回は、確定拠出年金企業型年金規約の附則に係る「適格退職年金契約の全部又は一部を解約して資産を移換する場合の取扱い」を解説します。



<適格退職年金契約の全部又は一部を解約して資産を移換する場合の取扱い>
(適格退職年金からの資産の移換)
第3条 資産管理機関は、確定拠出年金法第54条の規定に基づき、○○会社の適格退職年金契約の全部又は一部を解除することにより事業主に返還される資産の移換を受けるものとする。
2 前項の規定により移換を受けた資産は、この規約の施行日における加入者<加入者の一部について資産の移換を受ける場合にあっては、「加入者のうち○○」と規定>(以下、この条において「移換対象者」という。)の個人別管理資産に充てるものとする。
3 前項に規定する個人別管理資産に充てる額は、各移換対象者について・・・(具体的算定方法を規定)
4 前三項の規定により資産の移換を受けた場合には、第10条の規定にかかわらず、各移換対象者の○○会社の適格退職年金の受益者等であった期間を、通算加入者等期間に算入するものとする。
5 第1項に規定する資産の移換を受ける日は、平成○○年○○月○○日とする。

解 説
① 規約の変更日(本制度の施行日と同日)、移換範囲(全部又は一部解約)、移換対象者および移換日を規定します。

② 加入者の一部の者が資産の移換を受ける場合にあっては、就業規則等により移換を受ける者の名称、職種等を規定します。

③ 適年資産の個人別按分方法を規定します。適年加入者等の所定の同意により按分方法を変更することが可能です(以下「参考」)。

(参考)
本則第3項について適格退職年金規約にかかわらず、解約に伴う解約返戻金額の個人別按分方法は自主審査要領⑮-2.-(2)(注)に基づき適年加入者の3分の2以上の同意及び加入者の3分の1以上で組織する労働組合の同意(加入者の3分の2以上で組織する労働組合がある場合は、当該労働組合の同意で加入者の3分の2以上の同意に代えることができる)を得ることにより変更することができます。

次回は、引き続き附則に規定する「退職手当制度を変更して資産を移換する場合の取り扱い」を解説します。

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確定拠出年金企業型年金規約 | 19:43:19 | Trackback(0) | Comments(0)

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