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GOROGOROWIN

Author:GOROGOROWIN
経歴:企業年金の事務・システム企画や制度引受・管理業務に永年携わり、関連組織の統合・新設や事業会社の立上げによる事務・システムの構築と運用を行ってきました。現在は内部検査業務に従事しています。

専門:確定拠出年金をはじめとする企業年金の契約引受業務、保全業務の運用と事務・システム構築のアドバイスやコンサルティング、運用スタッフに対するコーチングを専門としています。

保有資格:
社会保険労務士(法3条の有資格者)
1級企業年金総合プランナー(DCプランナー)
宅地建物取引主任者 など

趣味:熱帯魚飼育・観賞、ゴルフ、料理を作ること・食べること、音楽鑑賞(ZARD、Celine Dion等)

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企業型確定拠出年金制度導入に係る労使合意に至るまでの労使協議の経緯6
今回は、労使合意に至るまでの労使協議の成果である「労使合意に至るまでの労使協議の経緯」の作成を解説します。

◆「労使合意に至るまでの労使協議の経緯」の作成

企業型確定拠出年金規約を厚生労働大臣(地方厚生(支)局長に権限委任)に申請する際の添付書類の一つである「労使合意に至るまでの労使協議の経緯」は、前回まで5回にわたってご紹介した労使協議のポイントに基づいて、確定拠出年金制度導入に関して、どのように労使協議を行い、合意に至ったか、過半数労組や従業員に対する説明会の状況(説明内容、質疑)を取りまとめたものです。

様式は、原則としてA4版ですが書式の指定はありません。

しかし、「労使合意に至るまでの労使協議の経緯」は、過半数労組の同意を前提として導入される企業型確定拠出年金制度にとって、制度導入プロセスの中で非常に重要な位置づけにありますので、説明会での説明項目とともに労使協議から合意に至った経緯、内容を詳細に記載(合意した旨も記載)します。

関東信越厚生局から出状されている「確定拠出年金(企業型年金)規約の申請に当たっての留意点」には、以下のように記載されています。

「詳細に記載すること。特に加入者に直接関わる事項(一定の資格、掛金、運用の方法等)については詳細に記載し、労使が対立した事項については合意に至った理由等も必ず記載すること。」

なお、過半数労組や従業員に対する説明会で使用した資料も申請時の添付書類となります。

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確定拠出年金制度の導入 | 23:54:47 | Trackback(0) | Comments(0)
企業型確定拠出年金制度導入に係る労使合意に至るまでの労使協議の経緯5
今回も引き続きUIゼンセン同盟が公表している「確定拠出年金導入の指針」から具体的な注意すべきポイントとして、残る5)税制、6)個人勘定・ポータビリティ、7)加入者教育・情報提供、8)コストをご紹介します。


5)税制

企業の拠出は損金算入でき、加入者が運用により獲得した収益は給付を受け取るまで非課税である(年金資産に特別法人税が課税されるが現在凍結)。

給付を受けるときは所得税課税が行われるが、年金の場合は公的年金等控除、一時金の場合は退職所得控除が適用される。

6)個人勘定・ポータビリティ

個人の積立資産は、加入者ごとに資産持分を把握することができ、透明性も高くなる。

また、個人別資産は、離・転職の際に転職先の企業型年金に非課税で移換することができる。

転職先に企業型年金がない場合は個人型年金に移換することができるが、企業年金(確定給付年金、適格年金、厚生年金基金)がある場合は、運用指図者にはなれるが掛金の拠出はできない。

なお、厚生年金基金、確定給付年金からも転職先の確定拠出年金その他の企業年金(適格年金を除く)に非課税で移換することができることになった。

7)加入者教育・情報提供

確定拠出年金導入企業は、加入者に対して、年金運用の基礎知識等の「投資教育」に加え、課税の仕組み(運用期間中、給付時)を教育することが義務づけられている。

また、商品の過去10年間の運用実績、予定利率、損失の可能性、預金保護機構の対象有無などについて情報提供も実施しなければならない。

制度導入時だけでなく、継続的にきちんと教育の場が提供されることが必要であり、随時インターネットで利用可能な資料の提供やコールセンターの設置は必須となる。

また、運営管理機関または会社が、自らの利益のために特定の商品に誘導するような教育・情報提供は避けなければならず、労組からのチェックも重要になる。

8)コスト

確定拠出には、運営管理(運用関連業務、記録関連業務)にかかる費用、資産管理に要する費用、選択した運用商品の運用にかかる費用があるが、これらの運営コストについて労使で協議のうえ負担割合を決定し、規約に明記する必要がある。

本来、企業年金は重要な労働条件であるという観点からみると、少なくとも運営管理および資産管理に要する費用については企業が負担すべきだが、運用商品の運用にかかる費用については加入者負担とするケースが一般的のようである。
UIゼンセン同盟の調査では、各企業とも企業が100%負担することとしている。

そして、まとめとして以下のように述べられています。

年金は長期にわたって給付を受けるものであり、また労働者にとっては老後設計の大きな柱である。

現在の経済情勢や働き方の多様化、それらに伴なう法制度の変更を考えれば、従来の企業年金制度から新しいタイプの企業年金制度に乗り移ることはやむを得ない面もあるが、従業員にとって不利益な変更になる制度変更は許されず、仮に確定拠出年金制度を導入するとしても、いかに自己責任とはいえ、バクチのような運用になってはいけない。

指針においても再三述べたとおり、個人に全面的に責任を負わせるのではなく、会社にも相応の情報提供とリスク分担が望まれる。

そして、労働組合も、非組合員を含む従業員の代表としての責任を十分に自覚し、主体的に制度設計に参画していくことが重要である。

次回は、労使合意に至るまでの労使協議の成果である「労使合意に至るまでの労使協議の経緯」の作成を解説します。

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確定拠出年金制度の導入 | 23:47:29 | Trackback(0) | Comments(0)
企業型確定拠出年金制度導入に係る労使合意に至るまでの労使協議の経緯4
今回は、引き続きUIゼンセン同盟が公表している「確定拠出年金導入の指針」から具体的な注意すべきポイントとして、1)対象者(制度に加入できる者)、2)給付、3)拠出(掛金額の算出)、4)運用の4つをご紹介します。


(5)具体的な注意すべきポイント

1)対象者(制度に加入できる者)

企業型年金は、企業の従業員が加入資格をもつが、年齢は60歳未満の者に限られる。

年金規約で規定すれば一定の条件で加入資格を制限することが認められており、加入資格によっては50歳以上の者の除外が可能であり、加入しない者には企業年金制度や退職金制度が適用されることが条件となっている。

加入を希望しない者のためには年金規約に「希望者のみを加入者とすること」の条文を盛込む必要がある。

加入後の脱退は任意にはできないので注意が必要。

UIゼンセン同盟の調査ではパート、契約社員を除外している企業はあるが、勤続・年齢等で加入要件を定めている企業はない。

なお、勤務先に企業型確定拠出年金その他の企業年金(確定給付企業年金、適格年金、厚生年金基金)がない場合に限り、個人型確定拠出年金に加入できる。

2)給付

老齢給付金、障害給付金、死亡一時金がある。給付の請求は運営管理機関に対して行い、運営管理機関が裁定する。

加入者自身が年金資産を運用し、その成果によって給付額は変動するので、掛金合計を下回るおそれもある。

老齢給付金、障害給付金は年金の他、全部または一部を一時金として受け取ることも可能だが、60歳までは受け取ることができず、拠出期間によっては65歳から受給が可能となる。

退職金が高額になっている高齢者にとっては、給付開始年齢、給付額で不利益になるおそれが強く、現制度の給付に比較して不利益にならないような制度設計が求められる。

3)拠出(掛金額の算出)

企業は、規約で定める方法で掛金拠出を行うが、拠出限度額があり、加入者自身の拠出は認められていない。

掛金算出は制度の中心であり、企業の提案内容は以下の掛金算出プロセスを理解して検討する。

①定年時に到達すべき積立目標の設定
②積立段階の運用収益率の予想と設定
③掛金額の算出


上記による検証は、積立目標額と予想運用収益率の妥当性にしぼられ、積立目標額は移行前の確定給付制度の給付水準とし、予想運用収益率は長期金利の見通しをもとに立てるのが一般的だと考えられる。

たとえば現行制度と同額の掛金を会社が拠出した場合、予定利率と想定利率から移行前の制度に比較すると受け取る金額が少なくなる場合は、従来と同等の労働条件は確保できないことになり、会社の掛金を増額して減少相当分を補う必要がある。

4)運用

運営管理機関が「専門的な知見」に基づき時価評価が可能で、流動性に富んでいるなどの要件を満たす収益の性質が相互に類似しない3つ以上の運用商品(1つ以上は預貯金等の元本確保型商品とし、自社株などの個別株式・個別債券を選定する場合は、その商品を除いて3つ以上)を選定して加入者に提示し、加入者自身が運用した成果によって給付額が決まる。

なお、企業や運営管理機関は自社及び関連企業の株券や債券を推奨することは禁止されているが、加入者の自主的判断で自社株等を指図することは可能である。

加入者の運用指図の変更は最低でも3ヶ月に1回できることと定められているが、加入者の希望するときに随時運用指図ができるようにすべきであり、UIゼンセン同盟の調査では各企業とも変更指図は毎日または随時可能と回答している。

次回も引き続きUIゼンセン同盟が公表している「確定拠出年金導入の指針」から具体的な注意すべきポイントとして、残る5)税制、6)個人勘定・ポータビリティ、7)加入者教育・情報提供、8)コストをご紹介します。

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確定拠出年金制度の導入 | 23:31:08 | Trackback(0) | Comments(0)
企業型確定拠出年金制度導入に係る労使合意に至るまでの労使協議の経緯3
今回は、会社から確定拠出年金の導入提案があったときの労働組合の対応方法として注意すべきポイントをUIゼンセン同盟が公表している「確定拠出年金導入の指針」から概要を3回に分けてご紹介します。

◆過半数労組が意見集約する際に注意すべきポイント

会社から確定拠出年金の導入提案があったときの労働組合の対応方法として注意すべきポイントを「確定拠出年金導入の指針」としてUIゼンセン同盟が公表(2004年12月労働金庫連合会ホームページに掲載)しています。

労働側からの視点として有意義な資料であるため、概要を以下に紹介します。


確定拠出年金導入にあたっては、対象従業員の過半数を組織する労働組合(過半数労働組合がない場合には従業員の過半数)との労使協定が義務付けられている。

労使協定が締結されると原則として対象者全員に効力が及ぶことになる。

組合としては過半数を代表しているというだけではなく、非組合員も含めた対象者全員の意見反映に努める必要がある。

(1)積立不足(過去勤務債務)の解消

既存の企業年金制度(厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金)から確定拠出年金に移行するにあたり、積立不足(過去勤務債務)により既存制度を減額する場合は、移行する資産が減少することになるため、その保証の具体的な内容を協議する。

(2)労働条件の不利益変更をともなう導入となった場合の対応

既存の企業年金制度や退職金制度に規定されていた条件が、不利益となる内容で提案された場合は、対象者全員の意見反映をするよう心がけるとともに判例にも留意して労使交渉を進める。

(3)検討状況の常時把握

会社側の検討段階から、また企業年金制度の受託機関による提案時など、早い段階から労使で情報を共有し、常に検討状況の詳細を把握しておくことが重要。
業務を委託する運営管理機関の経営状況、運用商品の提供基準、投資教育の実施内容等を十分検討するとともに、制度導入時だけでなく継続的に期待される運営管理がなされているか確認することが重要。
また、予定利率は掛金を決定する重要な要素であるため、十分な検討がなされるように注意する。

(4)中途解約ができないことの周知

中途退職に係る老齢給付金や脱退一時金の受給要件を従業員に周知させる。

次回は、引き続きUIゼンセン同盟が公表している「確定拠出年金導入の指針」から具体的な注意すべきポイントとして、1)対象者(制度に加入できる者)、2)給付、3)拠出(掛金額の算出)、4)運用の4つをご紹介します。

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確定拠出年金制度の導入 | 23:11:47 | Trackback(0) | Comments(0)
企業型確定拠出年金制度導入に係る労使合意に至るまでの労使協議の経緯2
◆事業主が過半数労組に説明する制度導入の背景や制度内容のポイント

今回は、前回解説の続きとして労使協議で説明する必要があるいくつかのポイントを解説します。

(3)加入資格と代替措置

現行制度の対象者との比較による確定拠出年金制度の対象者の範囲と勤続年数等一定の加入資格を設ける場合の代替措置および前払い退職金との選択制を実施する場合は前払い選択者の追加加入の要件。

(4)掛金の拠出・中断・返還

掛金の水準、加入者が運用する際の運用益の見込み、特に現行制度から移行する際は移行割合、確定拠出年金の掛金水準を決定する要素になる想定利回り(2.0~2.5%が一般的)、現行制度と移行後のモデル退職金、掛金拠出限度額超過分の取扱いおよび育児介護などによる休職期間中の掛金拠出中断の有無、勤続3年未満での退職による掛金相当額の事業主への返還(返還事由、返還割合を含む)有無。
また、前払い退職金との選択制を実施する場合は、掛金の選択割合。

(5)運営管理業務・資産管理業務に係る事務費の負担

確定拠出年金制度を運営するために必要な運営管理業務・資産管理業務に係る事務費の負担者(加入者は事業主負担、定年退職後の運用指図者は本人負担が一般的)と負担方法(掛金の別枠負担、掛金の内枠負担、個人別管理資産からの控除による負担)と負担時期。

(6)運用商品の選定

運用商品の選定は、運用関連運営管理機関が専門的な知見に基づいて行いますので、厳密には協議事項ではありませんが、情報提供と意見聴取(投資教育実施内容の検討を含む)の観点による運用商品の類型。

(7)給付体系

給付種類(老齢給付金、障害給付金、死亡一時金、脱退一時金)と老齢給付金、障害給付金の年金種類(支給期間、保証期間、終身年金の有無)、年金支給期月・回数および年金・一時金の選択(一時金選択割合、選択時期を含む)有無。

(8)運営管理機関、資産管理機関の選定

業務委託先、再委託先の運営管理機関、資産管理機関の名称、サービス内容、サポート体制、実績および選定に至った経緯(コンペの実施結果など)。

(9)他制度からの資産移換

現行の制度から確定拠出年金制度に移換するときは移換元制度と移換額、個人別按分額の算定方法、退職金制度による分割移換は分割年数・回数、付利利率および移換・分配の選択有無。

次回は、会社から確定拠出年金の導入提案があったときの労働組合の対応方法として注意すべきポイントをUIゼンセン同盟が公表している「確定拠出年金導入の指針」から概要をご紹介します。

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確定拠出年金制度の導入 | 23:25:48 | Trackback(0) | Comments(0)
企業型確定拠出年金制度導入に係る労使合意に至るまでの労使協議の経緯1
企業型確定拠出年金制度の導入は、従業員の過半数で組織する労働組合または従業員の過半数を代表する者による同意を前提としています。

このため事業主は制度導入の背景や制度内容を過半数労組(過半数労組がない場合は過半数代表、以下同じ)に説明する必要があり、過半数労組は非組合員を含めた対象者全員への報告、意見聴取、討議による意見集約と事業主との協議に努めなければなりません。

制度の導入に伴う過半数労組による同意は、労使合意に至る労使協議の成果であり、企業型確定拠出年金規約を厚生労働大臣(地方厚生(支)局長に権限委任)に申請する際、その経緯を「労使合意に至るまでの労使協議の経緯」として作成し、提出することは制度導入プロセスの中で非常に重要な位置づけにあります。

ここでは、事業主が過半数労組に説明する制度導入の背景や制度内容のポイントと過半数労組が意見集約をする際に注意すべきポイントを解説します。

◆事業主が過半数労組に説明する制度導入の背景や制度内容のポイント

(1)確定拠出年金制度導入の背景

確定拠出年金制度の導入は、一般的には財政上や人事政策上の観点から既存の企業年金制度、退職金制度などの見直しと再構築により実現されます。

このため、従業員にとっては利害がからむ問題であり、世代間でもさまざまな考え方が出てくると思います。

説明会を実施する際は、社会経済情勢の変化(自社を取巻く環境の変化を含む)、個人のライフスタイルの変化、現行制度の課題などを平易な資料により説明する必要があります。

なお、必要に応じて事前に現行の制度や給与制度、人事制度などについて従業員の意識調査をすることも制度設計や今後の労使協議において有意義なことです。

(2)確定拠出年金制度の概要

具体的な制度提案をする前に確定拠出年金制度の特徴を十分に説明したうえで、現行制度の見直しによる制度設計内容と確定拠出年金制度との関係(現行制度からの移行割合など)、標準者のシミュレーション内容、今後の移行スケジュールなどを説明します。


次回は、労使協議で説明する必要があるいくつかのポイントを解説します。

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確定拠出年金制度の導入 | 22:57:00 | Trackback(0) | Comments(0)
企業型確定拠出年金の掛金の財源(給与または賞与の振替による場合)
企業型確定拠出年金制度の掛金拠出の財源は、一般的には従来から実施してきた制度の財源を見直すことにより捻出します。

見直すことになる従来の制度は、退職金制度企業年金制度(厚生年金基金、確定給付企業年金、適格退職年金)の他、月例給与や賞与なども含まれます。

見直す方法にはいくつかの視点がありますが、ここでは月例給与や賞与からの振り替えによる企業型確定拠出年金の掛金拠出が、制度上の取扱いとして認められるか、考えてみたいと思います。

結論は、制度設計上で一方に偏ることがなければ認められます。

ただし、さまざまなケースが考えられ、白黒をはっきりさせることは難しいですが、以下のような場合はどうでしょうか。

会社は、月例給与と賞与を含めた年間の総報酬(年収とほぼ同じと考えてください)に対して、労働保険(例:労災保険、雇用保険)や社会保険(例:健康保険、厚生年金保険)の保険料などを負担しています。

これらを法定福利費といいますが、日経連の福利厚生費調査2005年度データ(参考)によると、全産業平均で従業員1人1ヵ月あたり75,436円(対前年1.8%増)とされており、法定外福利費(共済会、慶弔関係などの費用)を含めた福利厚生費全体では、103,722円(対前年1.3%増)で年々増加しており、会社にとっては大きな負担になっています。

会社は、企業型確定拠出年金制度を導入して給与や賞与の一部を掛金に振り替えることによって、福利厚生制度の拡充と、さらに福利厚生費の圧縮という一石二鳥の取り組みができます。

しかし、これが福利厚生費の圧縮のみを目的にした制度の導入であると、厚生労働省(実際は各地方厚生支・局)の承認を受けることはできないと思われます。

認められるケースは、どういう場合でしょうか。

会社が、従業員の働く意識や給与などに対する考え方、実態などを把握したうえで、労使協議により従来の制度の全般的な見直しによる財源の再配分や人事政策の再構築の一環として、企業型確定拠出年金制度を導入することは、労使双方にとって望ましいことと考えられます。

上記のような協議や検討の結果、給与や賞与の一部を掛金に振り替えたり、掛金と給与の選択制や選択割合を設けた企業型確定拠出年金制度を導入することは、その本来の目的から逸脱していないと考えられます。

いずれにしても確定拠出年金制度の目的である「国民の高齢期における所得の確保に係る自主的な努力を支援し、(略)生活の安定と福祉の向上に寄与する」ための制度設計であることが重要です。


(参考)日経連の福利厚生費調査2005年度データ

日経連の福利厚生費調査2005年度データの従業員1人1ヵ月あたりの項目別内訳と現金給与総額に対する割合は以下のとおりです。

◆現金給与総額:583,386円

◆福利厚生費:103,722円(うち法定福利費75,436円、法定外福利費28,286円)

◆通勤手当、通勤費:9,303円

◆退職金:81,685円

◆福利厚生費+退職金:185,407円

◆現金給与総額に対する割合

・福利厚生費/現金給与総額:17.8%(2004年度:17.7%)

・法定福利費/現金給与総額:12.9%(2004年度:12.8%)

・法定外福利費/現金給与総額:4.8%(2004年度:4.9%)

・退職金/現金給与総額:14.0%(2004年度:13.9%)

・福利厚生費+退職金/現金給与総額:31.8%(2004年度:31.6%)


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確定拠出年金制度の導入 | 00:06:15 | Trackback(0) | Comments(0)
企業型運営管理機関選定の視点2回目
今回は、「企業型運営管理機関選定の視点2回目」として「企業側の現状と将来像の認識」、「運営管理機関選定の5つの視点」を解説します。

1.企業側の現状と将来像の認識

(1)確定拠出年金制度を導入することによる既存の退職給付制度・給与制度や人事制度(評価制度、人材開発を含む)との関係と方向づけ

(2)連結子会社を含めた財務面への影響(キャッシュフロー、退職給付債務)の認識

(3)運営に係る自社で行う業務と委託する業務

(4)運営組織の体制(制度保全業務の他、モニタリングの分析と対策立案、加入者教育など社内人材の育成)

2.運営管理機関選定の5つの視点

(1)経営上の安定性および業務運営上の信頼性

◆ 専業の運営管理機関については出資関係と財務状況
ただし、すべての会社が累損を計上しているので、減資などにより解消を図った後の増資などが行われていれば問題視する必要はないと思われます。

◆ 組織体制と業務内容

◆ 営業地域と出先機関

◆ 従業員構成(人数、経験年数、在籍年数、取得資格)

(2)制度導入・運営サポート

◆ 制度設計コンサルティングの範囲と内容(既存の退職給付制度を含む)

◆ 企業側の制度運営担当者向けサポート内容(規約の作成・申請、労使折衝、加入者データ整備、RKとの業務運営手順、ヘルプデスクのサポート内容、法改正・業務運営変更等に伴う資料提供の即時性)

◆ 加入者向けサポート内容(Webコンテンツの内容、コールセンター機能および自動音声応答と有人応答の対応範囲、携帯電話の利用、ID・パスワードの共通化)

◆ モニタリングの内容(加入者動向、プラン内の運用商品および未選定商品との比較を含む)

◆ 加入者セグメントに応じた情報提供の内容、頻度

◆ 上記のシステムカスタマイズの可否と費用

(3)運用商品選定・提示

◆ 商品選定プロセス

◆ 運用関連としての商品ラインアップの考え方(系列関係の商品に偏っていないか)と具体的なパフォーマンスの提示

◆ 制度導入後の運用商品モニタリングの評価基準(第三者機関による評価を受けているか)および評価上問題があるものの認識プロセスと事業主との協議・解決方法(運用商品追加、削除の提案を含む)、加入者教育へのフィードバック方法

(4)加入者教育

◆ 講師確保の前提条件

◆ 講師の統一的なレベルの確保・維持への取組み内容およびセミナーにおける質疑等の講師への周知・研修方法と事業主へのフィードバック

◆ テキスト・ツールのレベル、種類とそれぞれの統一性と整合性(複数のツールを使用する場合)

◆ ライフプラン、年金受取額(確定拠出年金、公的年金、企業年金)、投資等のシュミュレーション内容

◆ 継続教育の標準的なメニューとコンテンツの内容(加入者動向のモニタリング結果による層別・セグメント別のメニュー・コンテンツが用意されているか)、費用およびカスタマイズの可否と費用

例えば、制度の想定利回りと加入者ごとの運用利回り比較による加入者運用レベルに応じた加入者教育メニュー、ツール

◆ テキスト、ツール、シュミュレーション、継続教育メニュー・コンテンツ等のカスタマイズの可否と費用

(5)制度導入・運営コスト

◆ イニシャルコストとして制度登録、加入者登録、運用商品選定、教育テキスト、講師派遣、教育ビデオ、コールセンターフリーコール(固定電話、携帯電話)、メールボックス(加入者質問用)等

◆ ランニングコストとして制度管理、加入者管理、運用商品モニタリング、運用商品追加、教育テキスト、講師派遣、継続教育、教育ビデオ、コールセンターフリーコール(固定電話、携帯電話)、メールボックス(加入者質問用)等

以上5つの視点をご紹介しましたが、ややもすると運営管理機関の選定は、導入時の対応とコストに目が向きがちかもしれません。

しかし、これからは加入者に対する情報提供力とその前提となる分析力も重要になってくると思います。

たとえば、加入者教育では導入時の教育よりも実際の運用が始まってからのさまざまなモニタリング結果の分析による加入者の層別に応じた継続教育や情報提供をどのようなツールでどのような方法で行うかが重要になってくると思います。

加入者の方のブログを見ていて感じることですが、従業員の立場からすると、今まで退職金のことも、まして運用のことなど他人事であったのに、いきなり小難しい導入時の教育をされても(それも2時間程度の駆け足で)実感が湧かず、せっかくコストをかけても教育効果は少ないと思います(それでもやってくださいね)。

実際の運用を経験して、結果を見て、自分の成果が他の加入者と比較してどういう状況なのか、が示されないとなかなか前向きな取り組みは難しいかもしれません。

自分の状況が理解できたときにこそ、タイムリーな情報や運用手法を提供する必要があります。

加入者教育ひとつとっても、いろいろな悩みと試行錯誤を繰り返しても自社でやるか、それとも慎重な比較検討のうえで特定の外部機関に委託するか、導入企業としての決断が必要です。

選定の結果によって従業員が満足し、高いモチベーションが得られれば人事政策上も成功したことになるのではないでしょうか。

いろいろなしがらみのある中での選定になるのでしょうが、自社自らが行う業務を認識するとともに、委託する業務については選定する運営管理機関等に求めるべきことをしっかりと要請してください。

企業と従業員、そしてさまざまな業務に携わる運営管理機関がそれぞれの役割の中で努力し、連携することによって確定拠出年金制度の将来は明るいものになるように思います。

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確定拠出年金制度の導入 | 20:11:23 | Trackback(0) | Comments(0)
企業型運営管理機関選定の視点1回目
今回は、退職給付会計を少しお休みして、ご質問やWebによる検索からご訪問いただくケースが多い企業型確定拠出年金運営管理機関の選定について、2回にわたってご紹介します。

企業型の確定拠出年金制度導入に伴う運営管理機関の選定は、さまざまな運営管理機関からのアプローチがある中で結論を出す必要があるため、客観的な選定基準が必要です。

また、各運営管理機関の選定基準の優劣だけでなく、自社の実情に最もマッチする運営管理機関を選定することが望ましいため、事前に導入側(企業側)として認識しておくべきことがあります。

さらに、運営管理機関から提案されたすべての機能を網羅的に導入するのではなく、企業側として制度の運営方針や費用対効果を考慮することも必要です。

運営管理機関の関連業務は、幅広く、大手といわれる運営管理機関であっても1社ですべての業務を完結することはなく、記録管理やコールセンター業務等を他の運営管理機関等に再委託しています。

運営管理機関の選定は、元受の運営管理機関だけではなく、再委託先の記録関連運営管理機関等についても確認されることをお勧めします。

特に昨今の金融機関の合併により、複数の再委託先記録関連運営管理機関(以下「RK」という)を利用できる元受運営管理機関もありますので、それぞれのRKの業務運営方法が自社の実情に沿うものであることが重要です。

例えば、大手のRKである日本インベスター・ソリューション・アンド・テクノロジー株式会社(略称JIS&T)、日本レコード・キーピング・ネットワーク株式会社(略称NRK)(以上設立順)では、それぞれのビジネスモデルが異なり、元受運営管理機関もRKごとに独自の業務運営方法やシステム対応を行っています。

また、確定拠出年金制度の設立形態には、自社が単独または連結子会社等関連会社と共同で設立する場合(「単独型」、「連合型」と総称されています)と、資本関係や業種等が異なる複数の企業が一つの年金規約のもとに設立する場合(「総合型」と総称されています)があります。

前者はどちらかというとオーダーメイド型で、後者はレディーメード型です。

総合型を取扱っていない運営管理機関もありますが、コストは割安である反面、提示される運用商品は限定されています。

ただ、前払い制度との選択制など、加入者数が比較的少ない場合やコスト面を優先される場合には、総合型による導入も選択肢の一つになります。

確定拠出年金制度実施後に運営管理機関を変更することもできますが、加入者や運用指図者の運用商品のキャッシュ化が必要になり、投資上の観点から望ましくない場合があり、また実務上も変更前の運営管理機関では加入の喪失、制度の停止手続きを行い、変更後の運営管理機関では制度登録と加入登録手続きを行うなど煩雑な手続きが必要になる場合がありますので、運営管理機関の選定は、慎重に行うべきです。

なお、運営管理機関の選定をコンサルティング会社に委託されるケースもあると思います。

コンサルティング会社は、候補となる運営管理機関に次回に紹介するいくつかの視点によるアンケート(質問状)等を依頼します。

コンサルティング会社は、運営管理機関の回答内容により、最終選考となるプレゼンに参加する運営管理機関の絞り込みを行います。

コンサルティング会社が、最終選考のプレゼンにも参加する場合もありますが、運営管理機関の選定のすべての業務を委託される場合は、コンサルティング会社の調査・調整力や提案力が必要になります。

運営管理機関に対する調査に基づき得られた情報および導入側企業の要望と実情調査により得られたあるべき姿から、どの運営管理機関(再委託先運営管理機関を含む)のどういう機能を利用することが、加入者の利便性と企業側の費用対効果に資するものとなるか、選定過程を含めて具体的に提案できるコンサルティング会社が望ましいと思います。

以上からコンサルティング会社の選定も重要になりますので、事前にコンサルティング会社が受託した過去の選定報告書等を確認されることをお勧めします。

報告内容に具体的な評価・推薦の記述がなく、「保守的に評価する」などの記述だけである場合は、信頼性が乏しいといえます。

次回は、「企業型運営管理機関選定の視点2回目」として「企業側の現状と将来像の認識」、「運営管理機関選定の5つの視点」を解説します。

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確定拠出年金制度の導入 | 20:44:35 | Trackback(0) | Comments(0)
確定拠出年金企業型の掛金拠出限度額
前回は、制度移換についてご紹介しましたが、今回も確定拠出年金制度導入を検討される際に重要になる掛金拠出限度額について見てみましょう。

事業主が加入者一人当たりに毎月拠出できる掛金拠出限度額掛は確定拠出年金法施行令第11条(注)の拠出限度額に基づきますが、平成16年10月改正施行により引き上げられました。

(注)適格退職年金契約の受益者等については、施行令附則第2条第2項によります。

今後も一定の経過年数ごとに限度額が引き上げられることが考えられますが、現在の拠出限度額は以下のとおりです。
企業型年金加入者の区分拠出限度額
企業年金等の加入者・受益者等でない者(施行令第11条第1号)月あたり4万6,000円
企業年金等の加入者・受益者等である者(施行令第11条第2号)月あたり
2万3,000円

企業年金等の加入者・受益者等とは、以下の者です。

①確定給付企業年金の加入者 ②厚生年金基金の加入員 ③適格退職年金契約の受益者等 ④石炭鉱業年金基金の坑内員等 ⑤私立学校教職員共済制度の加入者

上記①②③は企業年金制度ですが、企業年金制度以外に他の制度を実施していない場合に確定拠出年金制度を導入すると掛金拠出限度額は、以下の2つのケースになります。

① 企業年金制度を廃止する場合(全部解除等による制度移換を含む)

掛金拠出限度額は月額4万6,000円

② 企業年金制度を継続する場合(一部解除等による制度移換を含む)

掛金拠出限度額は、月額2万3,000円

なお、確定拠出年金制度導入時に企業年金制度を継続(一部解除等による制度移換を含む)していても、その後に廃止(全部解除等により残分の制度移換を含む)した場合は、掛金拠出限度額が月額4万6,000円に変更されます。

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確定拠出年金制度の導入 | 21:48:41 | Trackback(0) | Comments(0)
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